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中国政府「平和的関係の発展を望んだ結果」

2018年11月25日 12:14

台湾で24日、次の総統選挙の前哨戦とされる統一地方選挙が行われ、蔡英文総統率いる与党・民進党が主要な市長選で大敗した。蔡総統は、党の主席を、辞任すると表明した。

台湾では、台北市の市長選など、22の県と市で地方選挙が行われた。与党・民進党は20年にわたって、市長のポストを押さえてきた、高雄市の市長選挙で敗れるなど、選挙前に13あったポストを6つに減らし、大敗した。

この結果を受けて、民進党の蔡英文総統は、党の主席を辞任すると表明。総統には、留まるが、求心力の低下は必至で、およそ1年後に迫った総統選での再選は不透明な情勢となった。

民進党・蔡英文総統「党の主席を辞任する。我々の努力は足りなかった。支持者らを失望させた。おわびの気持ちを表したい」

蔡総統は、中国と距離を置く現状維持を掲げてきたが、中国が圧力を強める中、融和を求める野党側だけでなく、独立を求める与党支持層の一部も現政権の対中政策を否定するなど、支持率が低迷していた。

今回の選挙結果について、中国政府は「台湾の市民が、中国との平和的な関係の発展を望んだ結果」と評価し、台湾の地方都市との交流を歓迎する考えを示した。

中国としては、次の総統選挙にむけ、中国との交流のメリットを強調することで台湾の世論に働きかけ、蔡英文政権に揺さぶりをかけていくとみられる。