×

「地元 諫早の魅力をイラストで発信」中学最後の夏休み “若きイラストレーター ” 夢への挑戦《長崎》

2024年7月28日 7:00
「地元 諫早の魅力をイラストで発信」中学最後の夏休み “若きイラストレーター ” 夢への挑戦《長崎》

活躍の場を広げているイラストレーターは中学生。

”イラストの力で地元を元気に”。親子二人三脚での挑戦に密着しました。

▼味のある作風が人気に 自称 “ちびっこイラストレーター”

(江口正太郎さん(14))
「北諫早中学校の江口正太郎です。よろしくお願いします」

諫早市の中学3年生の江口正太郎さん。

自称 “ちびっこイラストレーター”。

クールな表情で、独特の世界観を作り出します。

イノシシは、コミカルで愛きょうのある表情に。

寺は、細かな部分まで忠実に再現します。

正太郎さんは6年ほど前から、地元 諫早市内を中心にイベントや店舗のチラシなどに使うイラストを提供してきました。

制作は、父・正和さんとの共同作業。

手描きのイラストを正和さんがパソコンに取り込み、色は相談しながら付けていきます。

(ちびっこイラストレーター 江口正太郎さん)
「ちょっと黒混ぜながら、一番濃いのは濃すぎ?」

(父 正和さん)
「黒入れる?」

正和さんは、デザインやマーケティングで20年を超えるキャリアの持ち主。

息子と二人三脚の活動で「デザイナーとしての経験が増え、良い刺激になっている」と話します。

(父 正和さん)
「年を正太郎自体も重ねていく中で、いつの頃からか 僕も “クリエイターとして” 彼自身を見るようになって、今はどちらかというと頼っている」

(ちびっこイラストレーター 江口正太郎さん)
「このペン1本でやってきたイラスト。それを大事にしていきたい」

これまで親子で30件あまりのプロジェクトに参加。

手掛けた作品は500点以上にのぼります。

▼中学最後の夏休み 夢への一歩へ

夏休み前のこの日、正太郎さん親子は 創業180年を超える諫早市の酒蔵「杵の川」を訪ねました。

中学生最後の夏。念願だった “初めての個展” が決まったのです。

会場は、親子で酒びんのラベルなどを制作してきた酒蔵のギャラリーです。

(杵の川 瀬頭 信介社長)
「今、引っ越しして空いていたところなので、今回ちょうど “正太郎くんの6年の軌跡” を皆さんに見ていただけるという 非常に素晴らしい機会に使ってもらえてうれしい」

初めての個展、その名は「SYOTARO WORLD」。

思いを込めて生み出した作品を一挙に公開します。

▼「諫早を愛する人々と諫早を、これから諫早を知る人を繋げたい」

依頼を受けるなど 一緒に活動してきたメンバーに、個展を開くことを報告。

(ちびっこイラストレーター 江口正太郎さん)
「PRのために(ポスターを)貼ってください」

開催ポスターでの告知を協力してもらいます。

地元の食の魅力を伝える「ISAHAYA頂プロジェクト」は、正太郎さんがイラストを担当。

地元の農産物や生産者などを見事に描いています。

(諌早湾漁業協同組合 鶴田 政文さん)
「見ればわかりますもんね。あぁ、正太郎くんのイラストだなって」

(いさはや頂プロジェクトBASE CAFE 陣野 真理 代表)
「なかなか見たことない絵の雰囲気が “諫早っぽくないね” とか、いい評判はたくさん聞きます」

親子の活動をよく知るメンバーも、個展を楽しみにしています。

また、地域活性化の活動から繋がった輪も…。

JR諌早駅の春本英憲駅長から、駅の基本方針=駅是のイラストの依頼を受けました。

描いたのは「ふたつ星4047」と「西九州新幹線かもめ」。

(JR諌早駅 駅長)
「私たちは『楽しい駅』というのを掲げている。(イラストから₎すごく伝わってくる」

この経験から新たな夢も。

(ちびっこイラストレーター 江口正太郎さん)
「やっぱり新幹線(のデザイン)かな、1回はやってみたい。1から10まで全部」

『イラスストレーター』として、成長する 正太郎さん。

今月、出場した「少年の主張」で、自身の思いを伝えました。

(ちびっこイラストレーター 江口正太郎さん)
「僕はイラストレーターだ。地域の魅力や情報を多くの人に届ける仕事をしている。これからもイラストという表現で、諫早を愛する人々と諫早を、これから諫早のことを知る人を繋げていきたい」

▼周囲の協力で叶った「個展」開催 感謝の思い込めて

この日 足を運んだのは、西海市にあるオリジナルグッズの製作会社「山﨑マーク」。

個展では、描いたイラストを形にした初めてのグッズも製作。

いつもお世話になっている人たちに、感謝の思いを伝えたい…。そんな思いも込めました。

(山﨑マーク 担当者)
「これは原画をそのままキャンバスにしたもの。原画はなかなか販売が難しいけど、部屋に飾ったりできる」

(ちびっこイラストレーター 江口正太郎さん)
「思った以上にすごくいい出来で、(グッズの一つ)ルービックキューブとか 本当びっくりした。応援してくれる人たちもいて、こうやって周りの人たちがたくさんいろんなことを協力してくれてうれしい」

個展に向け会場となる酒造では、準備が始まりました。

家族や友人たちはもちろん、小学1年の時からの幼馴染も手伝いに駆け付けてくれました。

(友人 山田 康介さん(14))
「誇らしい気持ち。これからも頑張っていってほしい」

(ちびっこイラストレーター 江口正太郎さん)
「やってきた分がこうやって形になって、よかった」

イラストレーター江口正太郎さん 初の個展『SYOTARO WORLD』は、8月まで開かれます。


    長崎国際テレビのニュース