どんな作品が出来上がる?「自由な世界を追求」19日から長崎で “ジミー大西さん” 展覧会開催《長崎》
お笑い芸人、そして画家でもあるジミー大西さんが、今月19日から長崎市で展覧会を開きます。
長崎モチーフのオリジナルの新作も…。
制作の裏側に密着です。
とある大阪のマンション。
(ジミー大西さん)
「よろしくお願いいたします」
迎えてくれたのは、お笑い芸人のジミー大西さんです。
天然キャラクターで誰からも愛されるお笑い芸人。
そのかたわら“画家”としても活動しています。
(ジミー大西さん)
「舞台を何度も出て、うけない部分を全部削ったりして、1つのお笑いを作っていく。絵は何を描こう?からずっと模索して、見て頂いた人が楽しんでもらえるのは共通」
作品は主に、自宅兼作業場で。自由な発想力で作品を作り上げます。
(ジミー大西さん)
「自由に、何が出来上がるかわからないが、時間があるとき、自由作品をたまに描いている。自分の世界、誰にも何にも言われない」
大切にしているのは、“重ね塗り”です。
(ジミー大西さん)
「この赤と2回目に塗る赤とは、そんなに色変わらないじゃないですか。変わらないでしょ」
(藤田智子アナウンサー)
「何とも言えないです」
(ジミー大西さん)
「いやいや、変わらないじゃないですか。違うんです。(色じゃなく)深みなんですよ。2回目を塗って、やっと自分の色が出たという。厚みが出るというかね」
▼きっかけは「テレビ」芸能活動を休業しスペインへ
本格的に絵を描き始めたのは(32年前の)1992年。
テレビ番組の企画で作品を発表したことがきっかけでした。
1996年に、芸能活動を休業し、スペインに移住。
スペインのほか、マルタ共和国、アメリカ、ブラジルなど26か国で絵画の技術を学んできました。
(ジミー大西さん)
「いろいろ行った中では、地中海が僕にとっては。海が好き。ラテン系じゃないが、そういうところが好き。どんどん作風が変わってきている。作風の変わりが自分のアルバムになっている」
32年間で描いた作品は、約500点。
ボジョレー・ヌーボーのラベルデザインに採用されたり、高級ブランド店で展覧会を開いたりと、活躍は多岐にわたります。
最もお気に入りの作品は…。
(ジミー大西さん)
「マルタ共和国。もともとイギリスの領土だった。イギリスの可愛らしいバスが昔、走っていた。僕が住んでいる時は。アズール・ウィンドウがここにある。今は風で(壊れて)ないが、貴重な作品の一つ。みんなに何を言われても手放したくない作品」
▼好きなことに没頭しても 適度に息抜きを
徹夜で制作に打ち込むこともあるジミーさん。
息詰まった時には…。
行きつけのお好み焼き店へ。
お好み焼きはもちろん、大好きな牛すじのみそ煮込み=「どて焼き」を食べて、パワーをつけます。
(ジミー大西さん)
「地球一周回った。ずっとこもって(制作を)やっていて、ここにきて少しリフレッシュする。息抜きの場所」
5月下旬、ジミーさんは、長崎市での展覧会「ホームタウン」で発表する新作に取り組んでいました。
長崎をモチーフにした(オリジナル)作品です。
直径20センチのタンバリンをキャンバスにし、27色で “ユリの花” を描きます。
毛先が細い筆で、丁寧に、繊細に、重ね塗りをしました。
そして…。
(ジミー大西さん)
「タンバリンの上からしっかり『長崎』をつけていきたい。
新しい技法。長崎で新たな挑戦をしてみたい」
とりだしたのは、“針と糸”。
長崎くんちの “オランダ船” や、西九州新幹線「かもめ」など、長崎ゆかりのものを描き、ふちの部分を糸で縫うことで、立体的に仕上げました。
(ジミー大西さん)
「この赤のラインがちょうどかもめ。赤を使ったら、中間色を使っていく。また緑、青を使っていく。そして中間の次に強いのが、だいたい紫というふうに自分の中で組み立てている」
タンバリンと固定して完成です。
タイトルは「長崎・出島」。
完成まで3か月以上かかった力作です。
(ジミー大西さん)
「今の気持ちは、ベッドを広げて寝たいくらい」
展覧会「ホームタウン」は、長崎歴史文化博物館で今月19日から、約150点が紹介されます。
その後は、全国各地で2026年頃まで行われる予定です。
スタートとなる長崎。そこには、ジミーさんの特別な思いがあります。
(ジミー大西さん)
「長崎に住みたいというのが一番。長崎で個展していないとなった。長崎でやらせてほしいと会社に言って、一番先に決まったのが長崎」
(ジミー大西さん)
「新作、新しい技法、オブジェを、みなさんに楽しんでもらえればありがたい。全部真っ裸に見せる。ジミーもちょこちょこ行っているので、ぜひ来てもらいたい」
展覧会「ホ―ムタウン」は、長崎歴史文化博物館で、7月19日から9月1日まで開催。
7月は、20日と21日にジミーさんのサイン会が行われます。