ノーベル文学賞、韓国の女性作家・韓江さんに 韓国人、アジア人女性で初
ことしのノーベル文学賞に韓国の女性作家、韓江さんが選ばれました。韓国人の文学賞受賞は初めてで、アジア人の女性としても初めてとなります。
ことしのノーベル文学賞に選ばれたのは、韓国の作家・韓江(ハン・ガン)さんです。ノーベル賞の選考委員会は韓江さんについて、「歴史のトラウマに向き合い、人の命のもろさを浮き彫りにする強く詩的な文章」だと評価しました。
韓江さんは1970年、韓国の光州生まれで9歳の時に家族でソウルに移住しました。父親は著名な小説家で、韓江さんは1993年に詩人としてデビューしました。執筆活動と並行して芸術や音楽にも情熱を傾けており、作品にも反映されています。
代表作の一つは、肉を食べることを拒否する女性らを描いた「菜食主義者」で、2016年にアジア初となるブッカー国際賞を受賞しています。また、「ギリシャ語の時間」「回復する人間」など多くの作品が日本語に翻訳されています。
ノーベル財団は、韓江さんは受賞の知らせを受けた際、息子と夕食を終えたばかりで受賞をまったく予期していなかったようだ、と話しています。韓国人が文学賞を受賞するのは初めてで、アジア人の女性としても初めての受賞となります。
授賞式は、12月にスウェーデンのストックホルムで行われる予定です。