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米中高官がウイーンで会談、対話継続で一致 一方で米中国防相会談は調整難航か

2023年5月12日 13:13
米中高官がウイーンで会談、対話継続で一致 一方で米中国防相会談は調整難航か

中国の偵察気球の問題などをめぐりアメリカと中国の対立が深まる中、米中両国の高官がオーストリアの首都ウイーンで会談し、対話を継続していくことで一致しました。

アメリカで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官と中国の外交トップ・王毅政治局員は、10日と11日の2日間、ウイーンで8時間以上にわたって会談しました。

アメリカ政府高官によりますと、会談でサリバン補佐官は、「米中両国は競争関係にあるが、アメリカは紛争や対立を求めていない」と強調し、両者は両国の対話を継続していくことで一致しました。

また会談では台湾情勢やロシアによるウクライナ侵攻についても議論され、サリバン補佐官は、中国がロシアに軍事支援を行う可能性があるとして改めて懸念を示したということです。

アメリカ政府高官は、偵察気球の問題で延期されているブリンケン国務長官の中国訪問の再調整については話し合わなかったものの、数か月以内に両国間で訪問が実現することへの期待感を示しました。

中国側も「中米関係の障害を取り除き、関係の更なる悪化の防止と安定を保つため、率直で深く、実質的で建設的な議論を行った」としています。

一方、イギリスの有力紙フィナンシャルタイムズは、6月にシンガポールで行われる安全保障に関する国際会議の場での米中国防相会談の調整が難航していると報じています。中国の李尚福国防相がアメリカの制裁対象に指定されていていることから、制裁を解除しないままでの会談に中国側が難色を示しているということです。