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中学生の息子の自死から5年「経験を共有し子どもを守る社会を」女性が講演会開催

2024年8月6日 19:52
中学生の息子の自死から5年「経験を共有し子どもを守る社会を」女性が講演会開催
自死した生徒が遺したノート

2019年4月、当時中学1年生だった男子生徒が自ら命を絶ちました。学校問題で苦しむ子どもが少しでも減るようにと、男子生徒の母親が開催した講演会を取材しました。

7月27日、熊本市である講演会が開かれました。
(講師の女性)
「今の仕組みや制度、体制では、困っている子どもをすぐに守ることはできないと痛感しました」

こう語るのは、子どもが小学校でいじめを受けた経験を持つ女性です。講演会のテーマは、子どもの人権や命を守る環境をつくること。主催したのは、5年前に息子を亡くした女性です。

2019年4月、中学校に入学したばかりの女性の息子が自ら命を絶ちました。小学校の卒業間際に書いたノートに残されていたのは大量の「死」という文字。第三者による調査委員会は、小学6年の時に担任をしていた教諭の不適切な指導が影響した可能性を指摘しました。

息子の死から5年を迎え、女性は講演会を開催することを決意しました。いじめなどの学校問題で我が子が苦しい思いをした人に経験を語ってもらい、共有するのが目的です。今年4月から講師の依頼や資料の作成を進め、会場の設営も行いました。

そして迎えた講演会当日。会場には保護者や学校関係者など約15人が集まりました。女性が最初に伝えたのは、この取り組みを始めた思いです。
■講演会を主催した息子が自死した女性
「いじめや不適切指導など、誰もが被害にあう恐れがありながらも、被害者やその保護者、遺族の声を聞く機会はほとんどないため、被害者の経験や考えが共有されにくいという現実もあります」

講演会では講師の女性は、保護者や学校が適切な対応を取れなかったことで子どもが学校に通えなくなったと説明しました。
■子どもがいじめを受けた講師の女性
「子どもに関わる全ての大人が、いじめに関する正しい知識を得ることが必要だと感じています。そのためにも、まずはいじめに関する法令やいじめに対する理解ができるよう、学校だけでなく地域でも啓発活動を行う必要がある」

その上で、学校の外にも解決の機能を持った相談窓口を設ける必要があると訴えました。

当事者の声に耳を傾けた参加者は。

■参加したスクールカウンセラー
「SOSを見逃さないようにとらえてあげたい、気づいてあげたいと思った」

つらい経験を分かち合い、子どもを救う手助けにしたい。女性はこれからも活動を続けるつもりです。

■講演会を主催した息子が自死した女性
「できるだけ多くの方に被害者の声が届けられるようにできたらと思っている。子どもの命や安全が守られる社会であってほしい」

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