日中の国民感情悪化…“デマの影響”も 改善の方策は? 両国識者が議論
日本と中国の有識者らが今週、関係改善に向けた方策について議論を交わしました。
民間団体「言論NPO」などが都内で開いたフォーラム。事前の世論調査では、中国での対日感情悪化も判明。結果を受けて中国の有識者からは、中国に関する報道が反中感情をあおっているとの主張も。
中国外務省・程永華元副部長
「(日本は)隣国を陥れたり、敵視する発言は控えるべきだ」
北京大学・賈慶国教授
「日本ではアメリカの影響なのか(中国の)悪いことばかりニュースになり、良いことはニュースにならない」
一方、日本側は反日的な投稿やデマが対日感情を悪化させていると指摘。
立憲民主党・福山参議院議員
「日本人学校はスパイ養成所だというのが中国のネットであふれていて、言論統制がある中国にもかかわらず、そのネットの内容は放置をしていた」
この現状をどう思っているのか、中国の有識者にホンネを聞くと…。
中国・国観シンクタンク 張首席研究員
「(Q.いま中国ではSNSなどで日本に厳しいウソなども流れているが?)日中のネットメディアやSNSに否定的な情報が多いかもしれない。若者は特にはまりやすい」
中国でも問題になっていると認めました。政府の対策について聞いてみると…。
北京大学・賈慶国教授
「ネット上のデマ情報は多すぎる。おそらく中国政府も全て管理しきれない」
その上で「政府も取り締まりを急いでいる」と語りました。
さらに台湾有事で日中が衝突する可能性を聞くと…。
中国・国観シンクタンク 張首席研究員
「日本の人たちに理解してほしいのは、いまたくさんのデマが流れている。中国が2027年に台湾を武力統一するうんぬんと。研究者として責任を持って言うが、これは中国の政策ではない」
北京大学・賈慶国教授
「(Q.日本と中国が戦争する危険はいま、高まっていると率直に感じますか?)戦争になる可能性は非常に低いと思う。私たちは両国間の紛争を抑える知恵や能力があるはずだ」
関係改善のきっかけは訪れるのでしょうか。