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【特集】G7サミットから1年 首脳と対面した被爆者・小倉桂子さんの思い

2024年5月20日 18:58
【特集】G7サミットから1年 首脳と対面した被爆者・小倉桂子さんの思い

サミット開催から1年に合わせて広島テレビは読売新聞と共同でサミットに深く関わった人たちにインタビューをしました。
今回は、首脳たちに直接、自らの体験を証言した被爆者です。

小倉桂子さん(86)。サミットでG7の首脳と接した唯一の被爆者です。

■小倉桂子さん
「核兵器というのは何が怖いって、その威力も瞬時にしてたくさんの人が亡くなるということもあるけれど、たとえ生き延びても、逃れる道がないということを伝えたい」

小倉さんは8歳の時、爆心地から2・4kmの自宅近くで被爆。独学で英語を学び、世界中の人たちに自らの体験を伝えてきました。

被爆者を代表して務めた大役。原爆資料館での首脳たちの様子をこう振り返ります。

■小倉桂子さん
「ある人は写真をじーっと長く見たり。押し付けられたんじゃなくて、自分の意思でしっかりここは見ようところを見られる。こんなことは初めてだと思う」

首脳の配偶者とも対面し、被爆した10年後に白血病で亡くなった佐々木禎子さんのことを伝えました。

■小倉桂子さん
「ファーストレディたちには、まずは禎子さんのお母様の話からスタートした。つまり残されたものが、いかに心の傷を負い、それがずっと生涯続くかという話。それが一番こたえる。自分の子どものことを思う」

そして、特に印象的だったのがウクライナのゼレンスキー大統領との対面でした。

■小倉桂子さん
「(資料館の)パノラマの前で『ここが私の家』と言って時系列で全部話した。『ピカッと光って、その前こうだった』と。ほかの方は質問をしたりした。ゼレンスキー大統領は質問なし。歯を食いしばってね、泣くのをこらえるのが精いっぱい」

サミットで世界から注目を浴びた小倉さん。
見せてくれたのは…。

アメリカのアイダホ大学から授与された人文学の「名誉博士号」です。小倉さんは2年前に大学に招かれ学生に被爆体験を証言。サミットでの功績などもふまえた「世界平和への貢献」が選考の理由です。

今月、現地で博士号を受け取りました。

■小倉桂子さん
「あなたは被爆者という肩書だけじゃなく、世界に、特にうちの学生たちを教育する教育者という、そういうことなんだよと(大学の教授が)おっしゃった。この日のためにわたしはG7でお話しさせていただいたんだなと。1年経って結果が出たんですよ」

サミットの後、お礼の品としてアメリカのバイデン大統領から届いた手帳。小倉さんは、証言を聞いた人たちに平和のメッセージを書いてもらっています。
その数は、増え続けています。

■小倉桂子さん
「ウクライナの戦争みたいに、一生懸命考えたりみんな後押ししても、犠牲者は増えているし、長引いているしというなんとも言えないジレンマとかいろいろあるし、もっと何を伝えたらいいかというのに責任を感じる」

【2024年5月20日放送】

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