×

【高校生海外派遣】かけがえのない体験 マレーシアの農村でホームステイ

2025年3月27日 12:25
【高校生海外派遣】かけがえのない体験 マレーシアの農村でホームステイ

上野キャスター)富山県高校生海外派遣団に同行取材した吉田記者です。

吉田記者)20人の高校生たちは12日間の日程で東南アジアを訪れました。きょうはマレーシアの農村でのホームステイの様子などをお伝えします。

マレーシアの高校で 若者同士の交流


派遣団は、近年目覚ましい経済発展を遂げているマレーシアへ。

世界トップクラスの高さを誇るペトロナスツインタワーがそびえ立つ一方、モスクや王宮など、伝統を感じさせる建築物も数多く残されています。

一行が訪問したのは、名門校とされる「ラワン高校」。熱烈な歓迎を受け、マレーシアの伝統武術「シラット」が披露されました。

この演舞を興味深そうに見ていたのが、ボクシングや空手など5種目のスポーツに取り組んでいる堀田さんです。

高岡商業高校1年 堀田みず希さん「楽器の演奏とかもあり、すごく迫力あるものだった。シラットを実際に見られたので、より詳しく動作の意味を調べたいと思ったし、今後の自分の競技生活にも生かしていきたいと思いました」

そして、現地の生徒に日本の伝統の遊びである「けん玉」や「折り紙」を教えた生徒たち。初めて触れる日本文化に、現地の生徒たちは興味津々の様子でした。

魚津高校1年 福谷光希さん「めっちゃ優しくてゆっくりしゃべってくれるし、詳しく言ってくれるからうれしかった」

遠い国で同世代とのつながりが広がり、貴重な経験となったようです。

続いて生徒たちが訪れたのは、機械の設計・製造を手がける立山オートマシンマレーシア。この会社は富山の企業のグループ会社です。

国際経済や女性の活躍に関心を持つ生徒たちは、こうした企業を見学したことで、学習意欲がさらに高まったと話していました。

高岡高校1年 中野紗奈さん「少しでも小さな問題でもいいから、ひとつずつ解決できればいいと思っていて、富山・日本全体で見ても女性の役職持ちの人が少ないので、そういうところを自分から変えてみたい」

片山学園高校1年 松井琴音さん「マレーシアは昔、ルックイーストという日本から学ぶ姿勢があったので。日本でももっと文化を織り交ぜた良い政策があるんじゃないかと思って調べています」

マレーシアの農村でホームステイ体験


海外派遣事業の目玉のひとつが、ホームステイです。今年は42回の歴史の中で初めて、マレーシアで農村体験型のカンポンステイに挑戦しました。

ホームステイが始まる前、生徒たちは緊張した面持ちでしたが、いざ始まると、みんな打ち解けた様子でした。

このホームステイを特に楽しみにしていたのが城さんです。

富山高校2年 城 巴さん「楽しみで仕方なかったです。言語に頼らなくても、人同士、コミュニケーションは意外と取れるんだなと気づき、コミュニケーション能力は培えているところはあると思うし、もっとレベルアップしていきたい」

この日の夕食は、イスラム文化の特徴でもある右手で直接食べるスタイル。生徒たちにとっては初めての体験でした。

「手で食べるのは初めて?」「初めて!」「どう?」「新鮮…不思議な感じ」

生徒たちは自分からコミュニケーションを取ろうとチャレンジを続けます。

石動高校2年 海木颯南さん「Do you know Japanese anime?」ホストファミリー「I know! It’s famous.  ナルト、ドラえもん、ちびまる子ちゃん、七つの大罪…many animes.」

新湊高校2年 藤田ありかさん「まず笑顔。そんなに英語得意じゃないし、ホストファミリーも日本語は得意じゃないかも。だけど自分からガツガツいくことが大事かなと思う」

連日30度近い暑さの中、食事はもちろん風呂やトイレといった衛生環境も日本ほど整っていない中での生活。それでも、生徒たちは異国の文化を学び、3日間、それぞれの家庭で充実した時間を過ごしました。

富山商業高校1年 武内杏奈さん「最初は暑いし、日本と違うし、話したことない人だから心配だったけど、みんなフレンドリーでめっちゃよかった」

富山いずみ高校2年 中川ほのさん「意思疎通、コミュニケーションを取る練習になったり、海外の人と関わる良い機会になったなと思います」

別れの時には、涙を流してホストファミリーとの別れを惜しむ生徒もいました。

大門高校2年 太田愛夏さん「泣いちゃって、マミーが泣いてつられて、3日間でもすごく悲しかったです」

見たことのない景色を目にし、新しい文化に触れ、普段出会えない人たちと交流し、多くのことを学んだ12日間。高校生たちにとって、大きな挑戦でした。

困難を自分たちの力で乗り越えて得た経験は、何物にも代えがたい大きな財産となりました。

富山南高校2年 加藤秀弥さん「言葉じゃ言い表せないくらい本当に貴重な経験で、自分の成長にも大いにつながって。(将来は)海外と日本の橋渡しとなり、人を幸せにできるような人になりたい」

富山東高校2年 大野碧海さん「言葉が通じなかった時も、一生懸命ジェスチャーやアイコンタクトを取り、相手とつながりあえた気がして。将来もっと広い世界に羽ばたけるような大人になりたいと思いました」

上野)12日間の同行取材を終えて、吉田さんは何を感じましたか。

吉田記者)新しい環境に飛び込み、学べるものは何でも吸収しようとする高校生たちのどん欲さに感心しました。

生徒たちはそれぞれの夢や研究テーマを持って、今回の海外派遣に参加しました。現地では積極的に質問をし、交流を深めようとする姿がとても印象的でした。

中でもホームステイでは、文化の違いに戸惑う場面もありましたが、それを乗り越えたことで、たくましく成長したように感じます。

海外で得た経験を糧に、いつか世界へ羽ばたく生徒たちの姿を見るのが今から楽しみです。

最終更新日:2025年3月27日 12:25
    北日本放送のニュース
    おすすめ