核抑止力による安全保障政策は「核軍縮の進展を妨害する」 核禁条約第2回締約国会議が閉幕《長崎》
核兵器禁止条約の2回目の締約国会議は核抑止力による安全保障政策は「核軍縮の進展を妨害する」などとする宣言を採択し、閉幕しました。
アメリカ・ニューヨークの国連本部で5日間に渡って開かれた核兵器禁止条約第2回締約国会議。
会議でのスピーチのほかグテーレス国連事務総長らとの面会に臨んだ長長崎市の鈴木市長は一刻も早い核兵器廃絶のため、“市民、特に若い世代の声を政治に届けること”が大切と話しました。
(鈴木長崎市長)
「核兵器廃絶を望む声が国際的に強いと強く感じた。若い世代に被爆の実相を伝える、そして平和の尊さを訴えるこういう取り組みを国連と平和首長会議とぜひ連携してやっていきたい」
(被爆者 木戸 季市さん)
「核戦争が起これば何もなくなった真っ黒の街、死体の山、死の世界が残るだけです」
会議では、初日に長崎で5歳の時に被爆した木戸 季市さんが、核兵器の非人道性を訴えたほか被爆3世ら若者たちも核兵器のない世界に向けて行動するよう求めました。
(高校生平和大使 安野 美乃里さん)
「核兵器廃絶に向けて活動し、兵器に頼らない持続可能な平和を実現する責任が私たちにはある」
最終日に採択した宣言では「核抑止力を正当化する試みは、核拡散の危険性を高めている」と指摘し核保有国や日本など非加盟国に条約への参加を呼びかけました。
一方、唯一の被爆国である日本は今回もオブザーバー参加を見送り。
会議を傍聴した被爆者からは…
(被爆者 箕牧 智之さん)
「日本政府が動かないのは非常に私たちにとっては腹立たしい」
(被爆者 朝長 万左男さん)
「カザフスタンの第3回の議長国が決定したから、日本との関係も非常に深いので、日本政府のオブザーバー出席など一つのきっかけになるのではと期待している」
若い世代は活動の課題点を解決しながら核廃絶に向けた機運の醸成に期待を寄せました。
(高校生平和大使 安野 美乃里さん)
「世界に自分たちの存在を強く強くアピールして少しでも早く核兵器廃絶が実現できるその日をみんなで迎えたい」
締約国会議は次回、カザフスタンを議長国とし、2025年3月に開催される予定です。