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多様化する「ガイドブック」 旅行ガイド形式の「会社案内」や漫画やアニメとコラボしたガイドブックも

2023年10月19日 22:44
多様化する「ガイドブック」 旅行ガイド形式の「会社案内」や漫画やアニメとコラボしたガイドブックも

ガイドブックが進化し多様化しています。一見すると旅行ガイドブックに見える“会社案内”だったり、“人気の漫画作品とコラボしたディープな本”だったり。ユニークな切り口が魅力のガイドブックの新たな世界を取材しました。

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いま、ガイドブックが“進化”しています。

一見すると普通のガイドブックに見える一冊。しかし、中には「街にあふれる関彰商事」「関彰商事ゆかりのスポット」など、「関彰商事」という言葉が、至るところに出てきます。実はガソリンスタンドなどを手がける総合商社の名前です。

関彰商事広報部 皆神裕平さん
「こちらは弊社の会社案内です」

まるで旅行のガイドブックのような1冊ですが、関彰商事の「会社案内」です。各地の営業所周辺にあるおすすめスポットなどが、写真をふんだんに使って紹介されています。会社の歴史は、分かりやすく漫画形式で掲載。取引先や就職希望者などに配布しています。

関彰商事 採用担当 ヒューマンケア部(人事部)魚里勇介さん
「今まで使っていたものは、事業の内容だけの会社紹介でした。今までの会社紹介のパンフレットはチラッとみて終わりっていう(就活の)学生が多かったのですが、(新しい)これは結構時間かけて見てくださってる」

会社の魅力を伝える、工夫をこらした「会社案内」。どうやって作られたのか、誌面に登場する社員に聞いてみました。

誌面に登場  関彰商事ライフサイエンスグループ 岩井優花さん
「私の1日の仕事の流れをインタビューしていただいて、お話しして、実際に仕事の様子を撮影していただいた。『るるぶ』の会社案内見たよっていう風に、同じグループの方からお声がけいただいたりとか」

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手がけたのは旅行ガイドブック「るるぶ」の編集チームです。

JTBパブリッシング交流プロデュース部 川野裕佳リーダー
「通常、観光スポットを扱っている『るるぶ』なんですけども、会社案内で“会社をガイドする”ということで、新しく始めた取り組み」

出版社ではこれまでも、自治体や学校をガイドする「非売品」の「るるぶ」を作ってきましたが、去年から積極的に企業案内も作成するようになりました。旅行客以外にも、企業やその周りの魅力を知ってもらうことができ、コロナ禍で売り上げが落ち込んだ旅行用ガイドブックの補てんにもなっているということです。

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今や「旅行案内」にとどまらないガイドブック。都内の書店のガイドブックコーナーには「トリセツ」と書かれた本がずらりと並んでいました。47都道府県全ての「トリセツ」を発刊したのは、地図がウリのガイドブック「まっぷる」を手がける出版社です。昔の地図を読み解き、地元の人すら知らない地域の情報を細かく説明しています。

おなじみのガイドブックにも“変わり種”がありました。世界中のガイドブックを取りそろえる「地球の歩き方」です。

地球の歩き方・プロデューサー 斉藤麻理さん
「地球の歩き方で、ディズニーアニメーション映画の世界を感じられるような」

「ふしぎの国のアリス」などディズニー作品のモデルとなった場所を、名場面とともに紹介します。去年から、特定の漫画や雑誌とコラボした商品を販売したところ、売れ行きは通常のガイドブックの約3倍になりました。

ようやく旅行にも行きやすくなった今、それぞれの作品のファンにも旅行に興味をもってもらえればということです。