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【挑戦】熊本地震でボランティアセンター長の熊本市女性職員 当時の経験から災害時に役立つ"スキル"を取得

2025年1月17日 19:36
【挑戦】熊本地震でボランティアセンター長の熊本市女性職員 当時の経験から災害時に役立つ"スキル"を取得
阪神・淡路大震災から30年を前に、熊本県内で災害時に役立つ“あるスキル”を身につけてもらおうという講習が行われました。講習には、熊本地震の際にボランティアセンターで業務にあたった熊本市職員の女性も参加しました。参加した女性の特別な思いを取材しました。

1月12日、菊池市で開かれていたのは、女性向けのフォークリフトの講習会です。普段の業務だけでなく、災害時に操作できる人材を増やそうと開かれ、9人が参加しました。
■参加した女性
「免許を持っているから、使命感じゃないですけど、免許を持っているからこそ、自分が行こうっていうのは思いやすい」

参加者の一人、熊本市西区役所保健福祉部長の中川奈穂子さんです。中川さんは、“ある教訓”を胸に講習に参加しました。

最大震度7を2度観測した2016年の熊本地震。地震発生直後、支援物資の集積拠点となったのが、現在の「えがお健康スタジアム」でした。当時、スタジアム内の通路には、全国各地から届いた様々な支援物資が。さらに被災自治体の要請を待たずに国が水や食料などを調達し被災地に送り込む“プッシュ型”の支援物資も山積みとなっていました。

中川さんは当時、熊本市の災害ボランティアセンターでセンター長を務めていました。大量の物資の荷降ろしや配送には、市の職員とボランティアが人海戦術であたりましたが、想像以上に時間を要したといいます。

■中川奈穂子さん
「自衛隊の方々と積み下ろしをやったんですけども、それでもやはり人手で積み下ろしをするのは限界がありました。そのため(集積拠点のスタジアムがある)県民総合運動公園から各区役所に運ぶのにタイムロスがあったのかなと思いました」

そんな中、頼りになったのが、フォークリフトの存在でした。
■中川奈穂子さん
「フォークリフトのオペレーターが、きれいに整然と並べられたというのを記憶しておりますので、フォークリフトの力ってすごいなって、その時に思いました」

講習は、2日間で学科と実技を行い、1トン未満のフォークリフトの修了証を取得します。実技で行われたのは300キロの重りの移動です。中川さんは、慎重にフォークリフトを操作し、重りを移動。無事、終了証を取得しました。

フォークリフトを十分使いこなせるオペレーターとして、災害時には被災地に駆けつけたい。中川さんの決意です。
■中川奈穂子さん
能登半島地震でも、重機はあるけれどオペレーターがいないという話がありました。私たちも熊本地震の時に多くの方々に助けていただいたので、ぜひ私たちも少しなりとも助けられるところを助けにいきたいなと思っています」
最終更新日:2025年1月17日 19:51
熊本県民テレビのニュース