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阿賀町の白髭山で50代男性が遭難 自宅で“SOS”受信したアマチュア無線の愛好家が人命救助 《新潟》

2024年6月18日 20:22
阿賀町の白髭山で50代男性が遭難 自宅で“SOS”受信したアマチュア無線の愛好家が人命救助 《新潟》

阿賀町の白髭山で6月、登山をしていた50代の男性が遭難しました。携帯電話をなくし、道に迷ったという男性。頼ったのは趣味でもつ人も多いある資格でした。

草木が生い茂る山中…隙間からわずかに見える人の姿。

〈救助隊員〉
「新潟県警察です。けがないですか?」

ここは阿賀町の白髭山。6月14日、東京から訪れた50代の男性が下山途中に遭難し、翌日救助されました。

1人で山に入ったという男性。携帯電話をなくし、道に迷う中、連絡手段として頼ったのが…

〈和田彰彦さん〉
「“どなたか聞いていませんか”とさかんに言うものですから。これは尋常でないなということで対応しました」

アマチュア無線です。

新潟市西蒲区に住む和田彰彦さんが遭難した男性のSOSを自宅で傍受。警察に通報したのです。

アマチュア無線とは趣味で行われる無線通信で、電波が届く範囲であれば知らない人同士でも自由にコミュニケーションが取れます。やり取りをするには国家資格が必要です。

じつは遭難した男性が山に入ったのもアマチュア無線で交信するため。そのため必要な機材を携帯していました。

SOSを傍受した和田さんはこう呼びかけました。

〈和田彰彦さん〉
「こちらはJA0GSO(コールサイン)JA0ゴルフシアラーオスカーです。今、どういった状況なのか教えてください。必要なことあったらこちらの方に送ってください。どうぞ」

〈遭難した男性〉
「スマホをなくしました。着信音をならしてください」

警察に通報するとともにメモを取りながら男性と交信。服装の特徴など和田さんが聞き取った情報が上空からの救助につながりました。

実は、和田さんはアマチュア無線の最難関、第1級アマチュア無線技士の資格をもち、この道52年の愛好家です。

自慢の機材を見せてくれました。

〈和田彰彦さん〉
「こちらがアンテナになります。高さは鉄塔の本体だけで15mほどですね」
Q)今回通信した場所との距離は?
「距離は50キロくらいだと思うんですけど、方向的に障害物が白髭山の方にはなにもありませんので比較的環境としてはいい環境で交信できた」

世界中の人とつながることができるアマチュア無線。

〈和田彰彦さん〉
「これロシアからのカードですね。こちらのスペインの局ですね」

これはQSLカードと呼ばれ、交信した相手と送り合う、いわば“交信の証”です。所有するカードの数は1万枚以上に上るといいます。

〈和田彰彦さん〉
「アマチュア無線をやっていて良かったなと思いますね。また今後もこういったことがもしあれば役立ちたい」

趣味がこうじて人命を救助した和田さん。
アマチュア無線の可能性を広げる出来事になりました。

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