安倍首相、難民支援策を表明 国連総会演説
アメリカ・ニューヨークを訪問している安倍首相が日本時間の30日未明、国連本部で開かれた、70回目の節目を迎えた国連総会で一般討論演説を行い、新たな難民支援策を打ち出した。
約160か国の首脳や元首らが所信表明を行う一般討論演説で、安倍首相が強調したのは、ヨーロッパに押し寄せる難民への支援策だった。
安倍首相は「今また私たちの目の前で多くの難民が命を賭してでも恐怖から逃れようとしています。難民たちの背後には、難民となって逃れることのできない人々が、はるかに多くいるという現実を直視したいと思います」と述べた。
安倍首相は、シリアやイラクの難民や国内避難民に対して、約8億1000万ドル、日本円で約970億円の支援を表明した。これは、去年の約3倍となる数字。さらに難民の受け入れを進めるEUの周辺国にも新たな人道支援として無償資金協力を行う方針を明らかにした。また、戦後70年の節目にあたって唯一の被爆国の立場から核廃絶に取り組む姿勢も強調した。
「本年は原子爆弾が広島、長崎に落とされて70年、悲しみを新たにした年でもありました」-安倍首相は、アメリカやロシアだけでなく全ての核保有国が削減を進めるべきだと強く主張した。
また、今月成立した安全保障関連法にも触れて、今後、PKO(=国連平和維持活動)にさらに貢献していく考えを示した。