×

“小池流”演出「選挙めぐる構図」に変化?

2017年9月26日 19:23
“小池流”演出「選挙めぐる構図」に変化?

 安倍首相は25日、衆議院の解散を表明。安倍首相の会見と同じ日に小池氏は新たな政党「希望の党」を立ち上げ、代表に就任すると発表した。選挙をめぐる構図はどう変わろうとしているのか?

【電光石火の発表-「小池流の演出」】

 25日の小池氏の会見は、急きょ設定された。この会見の30分前にはパンダの赤ちゃんの名前「シャンシャン」の発表があった。注目の発表に続く形で新党代表への就任表明を行った。しかも、安倍首相の会見の3時間半前に先手を打つ形で電光石火の発表をしたわけで「小池流の演出」と言えそうだ。

 小池氏の周辺はこの動きを知っていたのか?小池氏に近い若狭議員は次のように言っている。

 若狭衆院議員「(Qきょう(25日)小池都知事が発表すると聞いたのはいつ?)えー記者会見、少なくともきょうですね。(Q若狭さんや細野さんの役職は?)全く決まっていない」

 若狭議員は1時間前に会見を知ったということで、少し困惑しているような印象も受ける。若狭議員は民進党を離党した細野議員と新党についての議論を進めていて、小池氏は「国政は若狭氏にお任せしている」との立場だった。しかし、25日の会見で小池氏は「リセットする」と述べ、自らのトップ就任を表明した。

 また、若狭議員は一院制を掲げてきたが、25日の会見では一院制のイの字も出なかった。トップダウンのやり方には党内にも戸惑いの声が出ていた。

 対する自民党はどう受けとめているのか-。こんな声が聞こえてきた。

 自民党・平沢勝栄議員「小池さんが推薦される候補者と戦うということは大変厳しい戦いではありますけれど全力で戦う、これしかない」

 また、自民党の閣僚経験者は「ものすごい逆風になる。議席を大幅に失う可能性がある。タイミングのとらえ方が小池知事は安倍さんよりずっと上手だ」として、小池氏の手法に“してやられた”と危機感を抱いている。

 こうして新党の代表となった小池氏は、どんな政策を掲げているのか。まだ各党の具体的な公約は明らかになっていないが、ここまでの自民党や民進党の主張とも比較しながらみていく。


【消費税増税への各党の主張】

 自民党は、再来年に消費税率を10%に上げた時の使い道を見直して増収分の一部を教育の無償化などに充てるとしている。

 一方、希望の党の小池代表は25日の会見で10%への増税の凍結を打ち出した。理由は、景気回復の実感が伴っていないので、それを解決しなければ景気回復に水を差す恐れがある」と説明している。

 また、民進党の前原代表は自民党と同じ、消費税の使い道の見直しを訴えていて、安倍首相を「選挙の争点消しだ」と批判している。

 小池氏はあえて安倍首相や前原さんとの違いを出して、増税に慎重な有権者の層をとりこみたい狙いがあるようにもみえる。


【憲法改正への各党の主張】

 自民党は憲法9条に自衛隊を明記する。

 希望の党の小池代表は「憲法議論は避けてはいけない。ただ、9条の1点だけに絞った議論でいいのか」としていて、現段階では具体的な改正の項目は明らかにしていない。

 民進党は安全保障法制を前提とした安倍首相の9条改正には反対との姿勢を示している。このように、自民党と希望の党は憲法改正が必要との立場。


【構図に変化?論争を】

 小池氏が率いる新党が来月の総選挙に影響を与え、選挙の構図が大きく変わるかもしれない。急場しのぎの政策で「イメージ」優先の選挙になってしまわないよう、各党は選挙戦でしっかりと政策論争を展開し、有権者の判断材料を多く提供してほしい。