“異端児”河野氏 懸念される3つのコト
10日、自民党総裁選に正式な立候補を表明する河野大臣がこの1週間で4回訪ねたのが麻生氏です。9日夜、取材に応じ、河野氏に対して「やるならしっかりやれ」と語ったことを明らかにしました。
◇◇◇◇
有働キャスター
――河野さんは、麻生さんも背中を押したということで、ひと安心なのでしょうか?
日本テレビ 小栗泉 解説委員
4回も会ったのは、麻生さんが「もっと党で役職をやってからの方が良いし、今総理になっても潰されるのでという親心」からだと側近は説明しています。
ただ、麻生派がまとまって河野さんを支持するかというと、こんな声もあります。
今、河野さんが総裁選に臨むにあたって懸念されているのは、3点あるといいます。
1.女系天皇を含めた皇室問題
2.脱原発などのエネルギー問題
3.石破さんと組んで戦うのか
この3つを掲げていました。
河野さんは超党派の議員連盟「原発ゼロの会」を立ち上げ、共同代表も務めていました。ただ、このテーマは党内に反対意見も根強く、河野さんが丁寧な調整なしに突っ走ってしまうと、党内だけでなく、役所や産業界含めて混乱すると心配されているんです。
ところが河野さんは8日、脱原発について「別に明日、来年やめろと言うつもりではありません」と発言し、反対意見にも配慮しているように見えました。
河野さんは、「政界の異端児」として、かつて「自民党をぶっ壊す」と言って、国民の高い人気を背景に総理総裁になった小泉純一郎さんになぞらえる向きもあるんですが、決定的に違うのは、小泉さんは当時、所属していた派閥のトップ=森さんの強力なバックアップを受けていたということです。
河野さんとしては、総裁選をまず勝ち抜くためには他の意見にも耳を傾ける姿勢を見せないと、と思っているのかもしれません。
有働キャスター
――チームでも会社でもリーダーやっている廣瀬俊朗さん。「異端児」がリーダーやるのは大変なものですか?
元ラグビー日本代表キャプテン
株式会社HiRAKU代表取締役 廣瀬俊朗さん
ラグビーでいえば、エディ・ジョーンズさんが異端児のリーダーだったと思いますが、ちょっとどうなんだろと思うことがあったときは、リーチ マイケルとか自分とかが、「エディさんがこう言っているので信じてやっていこうよ」と、サポート役がいたことが大きかったのではないかと思います。
河野さんも、異端児として今までの自民党と違うことをやっていくなら、そういうサポート役が必要だと思いますし、それが誰なのか気になるところです。
有働キャスター
――河野さんにとってのサポート役とは、誰になるのでしょう?
日本テレビ 小栗泉 解説委員
それがなかなか見当たらないのですよね。まさにその点も、麻生さんが心配していたことなのだと思います。
有働キャスター
――そのへんの人間関係の駆け引きも面白いですが、まずは会見で河野さんが何を打ち出すのか、しっかり聞きたいと思います。
(※9月9日放送『news zero』より。)