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総裁選4候補、“ロックダウン”賛否割れる

2021年9月18日 15:28
総裁選4候補、“ロックダウン”賛否割れる

17日告示された自民党総裁選。河野太郎ワクチン担当相(58)、岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)、野田聖子幹事長代行(61)の4候補に、有働由美子キャスターが迫りました。新型コロナウイルスなどをめぐる私権制限では、意見が割れました。

【「ポスト菅」4候補×有働由美子(2)】

■高市氏、ロックダウン「法整備を」

有働
「新型コロナウイルスについて質問します。感染拡大に歯止めがかからない場合、ロックダウンのような強い私権制限が必要かどうか。河野さんはいち早く『必要』と答え、野田さんだけ『不要』でした。高市さん、どういうロックダウンが、なぜ必要ですか?」

高市
「現在の状況ですぐロックダウンが必要とは思いません。ただ、また新たな変異株が出て現在のワクチンで対応できない、治療薬で対応できないなど、最悪の事態も考えられます」

「そして私が『今から法整備、準備にかかるべきだ』と言っているのは、エボラ出血熱など、もっと死に至るまでの時間が短い感染症が入ってくる可能性もあるからです」

「できれば、与野党合同チームでやらないといけません。移転の自由の憲法22条と、『罰則を伴う場合には法律がなければならない』という31条に関わります。最悪の事態への備えという意味で議論は始めた方がいいと思います」

■緊急事態条項は…河野氏「審議を」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「法整備でいうと、コロナ対応をスピーディーに行うために、『緊急事態条項』を設けるための憲法改正も視野にありますか?」

高市
「憲法改正ももちろんですが、今それに時間をかけている場合ではないと思います。憲法改正がなければできないということではなく、法整備は可能だと考えています」

有働
「河野さんは『緊急事態条項』については?」

河野
「今回、平時の法律システムで緊急事態に対応したことを痛切に感じています。緊急事態に対応できる法律は必要だと思うし、憲法の議論の中で、緊急事態をどこまで憲法に入れるのか。自民党は緊急事態について提案をしているので、国会でよく審議いただきたい」

■野田氏「一番、犠牲になるのは子供」

有働
「野田さんは、ロックダウンは必要ないという立場です」

野田
「世界中どこにも、まだコロナに勝った国はありません。暗中模索、試行錯誤で、ロックダウンもあったと思います。人そのものがウイルスの運び手になっているので、それを止めてしまえば一時的に止まるけど、また動き出せば増えるという繰り返しだと思います」

「そういった意味では、日本人ならではの利他の精神というか、きちんとマスクもするし、その中でこれ以上、精神的に追い込むようなことは、逆にいけないのではないかと」

「特に一番、子供が犠牲になるので。その辺は気をつけてやっていかなければいかない。やはり治療法です。もうステロイドなり、抗体カクテルなり、酸素なり、治療法はどんどんできているので。それにしっかりお金を使っていくべきです」

有働
「『またお願いベース?』という声もあります」

野田
「行きつ戻りつということを理解していただく中で、その間、科学的知見は積み重なっていきます。来年1月頃と言われている治療薬ができれば、保険から医療に変えていくことで、インフルエンザのように皆さんが予防できるような医療に近づけていくことは考えられると思います」

有働
「河野さん、菅総理は『医療体制を確保できなかったことが大きな反省点』と振り返っていました。コロナ病床はどのくらいまで増やしますか?」

河野
「おそらくベッドの問題ではなく、高度な治療ができる医療従事者がどれだけそろうか、チームでどれだけそろえられるか、です。日本は中小の病院は多いので、ベッドがあってもそこで対応できる人材がなかなかいかない」

「いざという時に、『病床を出してください』とお願いや指示を出さなければいけない時がくるでしょうが、強制権限と人材育成はセットでやらないと意味がなくなります」

■岸田氏「いきなり強制は不都合」

小栗
「岸田さんに聞きます。今は病床に余裕が出てきたようにも見えますが、実際は補助金だけ受け取る『幽霊病床』も指摘されています。解消には罰則が必要ですか?」

岸田
「強制は十分考えられます。ただそのためにも平素から『感染症危機中核病院』みたいなものをつくって診療報酬を優遇し、いざという時に強制的に対応してもらうようにする。しっかり仕掛けを作らないと、いきなり強制では不都合が生じてしまう。工夫が大事です」

■河野氏「3回目の接種期間は決まっている」

有働
「病床が逼迫した時に、国や都道府県が病床の確保を病院に強制することについては、全員が賛成でした」

有働
「ワクチン3回目接種の議論が始まっていますが、今後のワクチン配分方法については、人口に応じて全国の自治体に配分すべきか、感染拡大地域に優先的に配分すべきか。どちらでしょうか?」

河野
「この問題はおかしいと思います。3回目の接種は2回目を打ってからの時期で決まりますから、自動的に、どこにどれだけの量を出すかは決まってきます」

有働
「例えば緊急事態宣言が一部に出ていた時に、そこに優先的に3回目を回しますか?」

河野
「2回目と3回目の接種期間は決まっていますから、それに関係ありません」

有働
「なるほど。河野さん以外は、優先配分を選びました」

(9月17日『news zero』より)