豪 “たった1人”感染で首都ロックダウン
オーストラリアの首都キャンベラでは、1週間のロックダウンに突入することになりました。たった1人の感染で厳しい措置に踏み切りました。
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■オーストラリア “1人”感染確認…首都をロックダウン
オーストラリアの首都キャンベラでは、1年以上、1人も感染者が出ていませんでした。
地元の20代の男性1人が陽性となったため、12日夕方から1週間のロックダウンに入ることになり、食料を買いだめしようと多くの人が店に押し寄せたのです。
スーパーの商品棚は、ほとんど空になってしまい、店内には支払いを待つ人の長い列ができていました。
これまでおよそ3万8000人が感染したオーストラリアでは今、都市で感染が広がっています(オーストラリア 感染者3万8165人 死者949人 米ジョンズ・ホプキンス大 13日午後5時時点)。
シドニーでは、ロックダウンで家から出られない高齢者に食料を届ける人たちの姿も見られました。
高齢者に食料を届ける人
「私たちが配達している人の中には、誰もそばにいなくて、1日・1週間で私たちとしか会わない人もいるということも、頭に入れておかないといけない」
■韓国 ワクチンの供給量が不足…一方アストラ余る
韓国でも、1日2000人前後と過去最多レベルの感染者数が続いています(韓国 感染者22万182人 死者2144人 韓国・保健当局 13日時点)。
政府は、ソウルを含む首都圏の総合病院に、病床を5%以上増やすよう行政命令を出しました。
さらにワクチン接種のスピードを加速したいとしていますが、ワクチンの供給量が不足しています。モデルナとファイザーのワクチンは1回目と2回目の接種の間隔を6週間に延ばすなどの対応がとられ、接種を完了した人の割合は17.4%にとどまっています。
しかし、余ったワクチンを地図上に示すシステムでは、数日前から多くの「余り」が表示されるようになっています。これまでは余りが出てもすぐに予約が入っていたといいますが韓国メディアによりますと今はワクチンが余り、捨てられるケースもあるというのです。
病院関係者
「おとといは8回分くらい余り、仕方なく廃棄するしかなかったです」
余っていたのは、アストラゼネカのワクチンです。接種の対象が50歳以上に限られていたことや、2回目の接種までの間隔が8週間と長く接種が終わるのに時間がかかることなどから、余るようになっていたのです。
13日、保健当局は、アストラゼネカのワクチンの接種対象年齢を、50歳以上から一気に30歳以上まで引き下げると発表しました。接種を促進する考えです。
■アメリカ シュワルツェネッガーさん、筋肉の知識になぞらえ…
3630万人以上が感染したアメリカで、デルタ株の拡大でさらに感染者が増え、PCR検査の会場には長蛇の列ができていました(アメリカ 感染者3630万6917人 死者61万9093人 米ジョンズ・ホプキンス大 13日午後5時時点)。
こうした中、元カリフォルニア州知事で俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーさんは、自身の経験を踏まえ、SNSにメッセージを投稿しました。
アーノルド・シュワルツェネッガーさん
「上腕二頭筋について、私より知っている人はいません。なぜなら、私は50年間、それを勉強し続けてきた。同じことがウイルスについても言えます。専門家はそのことを何年にもわたり勉強してきた」
15歳でボディービルを始め、ターミネーターなどの映画で強烈なアクションシーンを演じたシュワルツェネッガーさんは、今年1月にワクチンを接種した時には、「死にたくないならついてこい」と「ターミネーター」の決めゼリフで接種を呼びかけていました。
いまだワクチンやマスクに否定的な人がいるとして、自身の筋肉の知識になぞらえ、専門家の言うことに従って感染対策を徹底するべきだと呼びかけたのです。
■アルゼンチン 医療従事者が抗議の声「私たちは使い捨て」
506万人以上が感染した南米、アルゼンチンで、抗議の声を上げたのは「エッセンシャルワーカー」と言われる医療従事者らです(アルゼンチン 感染者506万6253人 死者10万8569人 米ジョンズ・ホプキンス大 13日午後5時時点)。
「必要不可欠」という意味の「エッセンシャル」という言葉。
しかし─。
小児科の研修医
「私たちはエッセンシャルワーカーと呼ばれていますが、私たちは使い捨てです。研修医の給料は貧困ラインに近いです」
掲げられた看板には「500日のパンデミック 私たちは今も使い捨て」の文字がありました。
感染拡大の最前線で働く人たちの労働環境の改善を求めました。首都、ブエノスアイレスでも大勢の人々が行進しました。
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世界ではこれまでに2億543万人以上が感染し、433万人以上が死亡しました(世界 感染者2億543万1038人 死者433万4874人 米ジョンズ・ホプキンス大 13日午後5時時点)。
ワクチン接種を完了した人の割合はアメリカで全人口の50パーセント、日本は36.5パーセントとなっています。