【解説】衆院3つの補欠選挙、注目ポイントや政権運営への影響は?
衆議院の東京15区、島根1区、長崎3区の合わせて3つの選挙区で補欠選挙が16日、告示されました。政治部の天野裕貴記者に聞きます。
――今回行われる補欠選挙の注目ポイントはどこになりますか。
自民党が事実上の全敗となるかどうかです。自民党は東京15区と長崎3区で候補者をたてることができず、すでに不戦敗となりますが唯一、島根1区には候補者を擁立しており、与野党対決の構図となっています。岸田首相自身も週末に応援に入ることを検討するなど、力のいれようです。島根1区の勝敗が岸田政権の今後を占うと言えます。
――補選の結果は政権運営にどんな影響を与えそうですか。
いわゆる「裏金」問題で強い逆風となる中、自民党のあるベテラン議員は「補選が3敗となれば政権はもたない」、別の閣僚経験者は「岸田総理のままでは今後の選挙は戦えないとなる」と述べるなど、「岸田おろし」の動きが表面化するおそれもあります。
これに対して、岸田首相に近い政権幹部は「党内で騒いでる場合ではない」と指摘し、政権運営への影響は限定的なものになるとの見方を示しています。
一方の野党側ですが、全勝を目指し、次の総選挙に向け弾みをつけたい考えです。特に3選挙区、全てに候補者を擁立している立憲民主党のある幹部は「3勝したら党にとって大きな弾みになる」と話しています。