岩手でも自民党に逆風 選挙担当記者が岩手の選挙結果を解説
(吉岡伸剛キャスター)
衆院選の結果について選挙担当の成田記者とお伝えします。
(成田大輔記者)
まずは注目の選挙区となった岩手3区について、小沢さんと藤原さんの動きを振り返ります。
小沢一郎さん
「わたくしの政治生活の中で、もう一度、3度目の政権交代を実現して、そして次の世代に譲りたい」
小沢さんは、全国の候補者の応援のため、地元入りできる機会は限られましたが大票田である北上市や一関市を重点に遊説と個人演説会を重ねました。また、小選挙区で敗北した前回3年前の雪辱を果たすため後援会組織が奮起。「声掛け」にも力を入れ、奥州市での第一声には約500人が集まりました。さらに、中盤から終盤にかけては小沢さんを「政治の師」と仰ぐ達増知事も応援にかけつけともに支持を訴えました。
達増知事
「日本の政治を与野党通じて正していくための政権交代は小沢一郎さんの指導の下であってこそやれるということがいま見えてきているし、また、みんなが気が付いているわけであります」
一方、藤原さんは、裏金問題を巡り、政治資金収支報告書の不記載があったとして比例重複が認められず『背水の陣』で臨みました。さらに、秘書の給与をだまし取ったとして詐欺罪で在宅起訴された広瀬めぐみ氏の問題などが『逆風』を強め、厳しい選挙戦となりました。
藤原崇さん
「わたくしの3年間の活動というものをしっかり有権者に評価していただけなかった。そのことに尽きる。後援会のみなさまとしっかり相談しなければなりませんが、しっかり岩手、国のために引き続き活動していくと思っている」
(吉岡伸剛キャスター)
全国の情勢と同様、岩手の小選挙区でも『逆風』が吹き荒れましたね。
(成田大輔記者)
続いて、2人の出口調査の結果を見ていきます。こちらは小沢さんの年代別の支持率です。30代男性や50代女性を中心に男女ともに幅広い層で支持を集めました。そして、こちらは支持する政党をもたない『無党派層』がどちらに投票したのかをまとめたものです。
(吉岡伸剛キャスター)
小沢さんが、半分以上の約6割を占めましたね。
(成田大輔記者)
前回3年前は藤原さんが約56パーセントでしたので、小沢さんがひっくり返した形です。こちらは、前回の市町村別の得票数について藤原さんが勝ったところを『赤』、小沢さんが勝ったところを『青』で示したものです。
(吉岡伸剛キャスター)
この時は、小沢さんの地元・奥州市以外はすべて藤原さんが勝ちましたね。
(成田大輔記者)
これが今回は…藤原さんの地元、西和賀町以外のすべてを小沢さんが押さえました。これらの結果について、小沢さんのある陣営幹部は、「藤原さんへの『逆風』が追い風になったことが決め手の1つになった」と話していました。なお、小沢さんは、「今回の勝利を糧として新しい政権により『国民の生活が第一』の政治を 実現すべく邁進していきたい」というコメントを発表しました。
(吉岡伸剛キャスター)
続いて鈴木さんが勝利した岩手2区です。
(成田大輔記者)
鈴木さんは抜群の知名度に加え、オリンピック・パラリンピック担当大臣や財務大臣などを歴任した実績で幅広い層から支持を集めました。
(吉岡伸剛キャスター)
前回に続き、圧倒的な勝利ということでしょうか…しかし、次点の候補との得票数の差を見ますと、前回は立憲民主党の新人に約8万2千票の差をつけましたが、今回は約4万5千票まで縮まりました。少なからず『逆風』の影響が出たものと見られます。
最後に岩手1区です。1区は大票田の都市部・盛岡市でどう無党派層を取り込むかがポイントでした。階さんは、国会での質疑など6期17年あまりの実績をアピールしたほか、SNSも積極的に活用したことで6割以上の無党派層の支持を得ました。
(成田大輔記者)
来年は参議院選挙が控えます。「小沢王国」に象徴される県内の野党勢力が勢いを取り戻す中、自民党がどう対抗するのか、今後の県政界の動きに注目が集まります。