釣りに麻雀も… 女性の趣味が“多様化”
女性の趣味にある変化が起きています。「おじさま」が中心というイメージがあった分野に次々と挑戦し、多様化してきているのです。
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年明け間もない4日、神奈川・横浜市の海岸には、釣りを楽しむ母娘がいました。
「新年初釣りです!」
おひとりの女性もいました。
「太刀魚1匹釣れたのがうれしかった」
神奈川・川崎市にある釣り堀「ベリーパーク in FISH ON!王禅寺」では、釣り初挑戦の女性が魚をゲット。
初めて釣りに来た30代
「釣れるとちょっとやみつきになっちゃいそう」
かつてはおじさんの趣味のイメージがあった「釣り」ですが──
ベリーパーク in FISH ON!王禅寺・吉野格さん
「最近は特に、女性のお客様が増えたと実感してます」
この釣り堀では、去年とコロナ前を比べると、女性客がおよそ2倍になったといいます。
屋外なので密にならず、気軽に楽しめることなどから、一人で来る女性客が目立つようになったということです。
中には、講義に参加する熱心な女性もいます。釣り歴はわずか3か月、お一人で参加です。
20代
「在宅ワークがコロナ禍でメインとなったので、ちょっと外に息抜きで出るのに釣りはちょうどいい」
こだわりは自ら集めた色とりどりのルアー。
20代
「新しく買ったルアーとかを試したい。実験っぽいところが好き」
見た目がかわいく、色がキレイなルアーに興味を持ち釣りに魅了される女性も多いといいます。
そのルアーを取り付け、早速釣りを始めると、見事、魚がヒット。しかし、釣り歴が浅いためか、魚をうまく釣り上げることができませんでした。
その後はなかなかヒットしないまま1時間半が経過。すると女性に助け舟が──
女性
「ありがとうございます」
隣で釣っていた男性が、おすすめのルアーを貸してくれたのです。それを糸に取り付け、再びチャレンジ。
女性
「強さってこのぐらいで大丈夫ですか?」
男性
「もうちょいゆっくりでいい」
アドバイス通りさおを動かした直後、見事、20センチほどの
ニジマスをゲットしました。
女性
「きょう塩焼きにして食べます」
その日の夕飯のおかずになりました。
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女性の釣り人気は、意外なところにも影響が出ていました。
安くて機能性の高い商品が女性に注目され、話題になった「ワークマン女子」。
ワークマン 鈴木悠耶さん
「生地に特殊な加工施していて、水をはじくんです。最近だと釣りで着ていただける方が増えてます」
釣り用として売られているわけではないジャンパーを、釣りを始める女性が買っていくといいます。
ワークマン 鈴木悠耶さん
「ワークマン全体でも売り上げ上位になっている」
ワークマンでは、SNSでエゴサーチを行い、釣り客などの要望を吸い上げ、新たな商品開発を目指しています。
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女性の趣味の広がりは他にも見られます。
これまた、おじさんの趣味のイメージがある「麻雀」。プロが教える都内の麻雀教室では、数多くの女性がテーブルを囲んでいました。
20代
「女性の友達とやることが多い」
30代
「勝てるとうれしいから、またやりたくなる」
この日の生徒は半数以上が女性でした。
日本プロ麻雀連盟 日吉辰哉プロ
「きょうも女性の方が多かった。年代が若くなってきている印象」
いったい何が起きているのか。女性がハマる、その魅力について聞いてみました。
40代
「下手でも運で相手に勝てたりとか、そういうところが楽しい」
60代
「年齢関係なく」
──性別は?
60代
「関係ない」
男女問わず、初心者でも運と頭脳で楽しめるのが魅力だということです。
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さらに、女性たちへ麻雀を広めるインフルエンサーも登場しています。
「四暗刻、役満です」
元乃木坂46でタレントの中田花奈さん。現在、麻雀プロとしても活動しています。
タレント 中田花奈さん
「舞台をやらせていただいた時に、セリフで麻雀用語が出てきて、意味を調べたのがきっかけで麻雀を始めた。急激に面白さに気づいて、一生できるものだなと思った」
麻雀に魅了された中田さんは、アイドル時代に貯めたお金で念願の麻雀店をオープン。中でも一番のテーマが──
タレント 中田花奈さん
「(麻雀は)男性がやっているイメージとか、(店が)あまりキレイじゃないようなイメージがある。麻雀の面白さを普及するには、イメージを払拭していかなければいけない」
麻雀の“ダークなイメージ”の払拭です。そのため、店内は完全禁煙。白を基調とした清潔感のある内装にしました。
提供する料理も中田さん自らが手がけます。バニラアイスをのせたフレンチトーストや盛り付けにこだわったドライカレーなど“映える見た目”のものにしています。
20代
「最初は中田さんが(麻雀)番組に出ているのを見て、ルールを覚えて」
30代
「中田花奈さんの影響です。めちゃめちゃ面白いです」
中田さんは「一生懸命覚えようとしてくれるファンの人がいるのも、すごくうれしいです」とさらなる女性の麻雀人口の増加を目指しているということです。