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緊急地震速報に遅延や不発の可能性~気象庁

2011年3月11日 21:43

 宮城・茨城沖大地震で、気象庁は、この地震や津波による停電などによって、東北地方北部を中心に地震、津波、火山観測網に大きな障害が出ていて、今後、緊急地震速報の発表が遅れたり、最悪の場合、出なかったりする可能性があると発表した。

 気象庁によると、緊急地震速報の発表に用いている地震観測システムが、東北地方の北部を中心に全くデータが取れない状態になっているという。岩手県沿岸に設置している3地点では、地震直後に通信が途絶え、また、それ以外の観測点でも停電後にバッテリーを使って情報を送っていたが、11日午後6時頃に電源が切れたという。地震計は、停電が解消されて通電が始まれば観測できるとしているが、復旧の見込みは立っていないという。

 気象庁は、関東地方や東北南部、北海道の正常に作動している観測点を使って緊急地震速報を発表することにしているが、今後、震度5以上の強い揺れが予想される余震が東北地方で発生した場合、緊急地震速報の発表が遅れて間にあわなかったり、最悪の場合、発表できなかったりする可能性があるとしている。

 また、北海道から関東、四国地方の太平洋沿岸に設置している津波観測計も、停電や回線が不通になった影響で津波データが観測できなくなっている。特に、東北地方の太平洋沿岸は、青森県の深浦町とむつ市関根浜の2か所を除いて全てデータが送れない状況で、2か所についても48時間しかバッテリーが持たないという。

 さらに、東北地方で気象庁が24時間監視している活火山の10火山のうち、9火山では観測データの一部、もしくは全てが送れない状態だという。