“ロシアでのスパイ行為”米記者に禁錮16年の有罪判決 現地の裁判所
ロシアでのスパイ行為の罪に問われた、アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の記者に対し、現地の裁判所は19日、禁錮16年の有罪判決を言い渡しました。
ウォール・ストリート・ジャーナルのエバン・ゲルシュコビッチ記者は去年3月、「CIA=アメリカ中央情報局の指示で軍事企業の機密情報を収集していた」として、ロシア当局にスパイ容疑で拘束され、先月から裁判が非公開で行われてきました。
ロシアメディアによりますと、ゲルシュコビッチ記者は無罪を主張していましたが、現地の裁判所は19日、禁錮16年の有罪判決を言い渡しました。
裁判所は「証拠を総合的に考慮すると、有罪の判断を下すのに十分だ」とコメントしていますが、これまで証拠などは外部に開示されず、秘密裁判だとの批判も出ていました。
ゲルシュコビッチ記者をめぐっては、ロシアとアメリカとの間で、身柄交換による解放交渉も続いているとみられます。
判決を受け、ウォール・ストリート・ジャーナルは声明を発表し、「恥ずべき偽りの判決だ」とした上で、「ジャーナリズムは犯罪ではない。私たちは彼が釈放されるまで働きかけ続ける」として、引き続き身柄の解放を求めました。