厳しい暑さが消費活動に影響 “猛暑割”や“夏セール”、宅配ピザは売れ行き好調
19日、東京都心は猛暑日に迫る暑さとなりました。この暑さが消費活動にも影響を及ぼしています。なぜか“熱い商品”が売れているんです。
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記者(東京・上野、19日午後5時ごろ)
「上野公園で行われている夏祭りの会場です。屋台がずらっと並び、その目の前では訪れた人たちが屋台グルメを楽しんでいます」
東京・上野で夏祭り(『うえの夏まつり2024』※8月12日まで)が開催されていた19日、東京都心で猛暑日一歩手前の最高気温34.5℃を観測。木陰で涼む人もいれば、炎天下で牛タンを食べるカップルも…。
牛タンを食べるカップル
「暑いからスタミナつけようと」
梅雨が明け、いよいよ夏本番です。
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最高気温36.8℃、猛暑日となった、さいたま市にある食品ディスカウントストア「マルヤス 大宮宮原店」。普段は混雑するというお昼時も、19日は閑散としていました。
店員
「猛暑の日は少ないかも。みんな出たくないんですかね」
暑い中やってきたお客さんが手にするのは…
──アイス買いたいですか?
お客さん
「買いたいです」
──何を買いましたか?
お客さん
「そばと水。暑いと出たくない」
外に出るのも嫌になる暑さ。ですが、ここでは暑ければ暑いほど、お得に買い物できるんです。
この店で実施しているのは「猛暑割」。予想最高気温が35℃だと5%、そこから1℃上がるごとに、さらに1%安くなる割引です。(※最大10%)
お客さん
「いいですね。暑くても行こうかなという気持ちになる」
それでも外に出ると、やっぱり…
──どうですか、出てみて?
お客さん
「暑いです」
外出を控えるよう呼びかけられる今年の夏。宅配ピザ店ではデリバリーの注文が増加。
記者(東京・文京区、19日)
「お昼時で、店内大忙しです」
暑い日は、巣ごもり需要が高いといいます。
ナポリの窯文京店 木村和希店長
「通常の日と比べると1.5倍から2倍ぐらい注文いただく。暑いと」
デリバリーを利用したお客さんに理由を聞いてみても…
デリバリー利用のお客さん
「冷えてる部屋の中で、熱いピザを食べるのもいい」
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暑さで変わる、私たちの消費。暑さに合わせて売り方を変えたのは、百貨店の松屋銀座です。
「梅雨も明けましたので、いい形でクリアランスセールを本日から始められる」
暑い日が長引く近年の気候に合わせて、19日から夏セールをスタート。例年よりも3週間ほど遅い開始となりました。
お客さん
「これから夏本番になるので、ちょうどいいのかな」
お客さん
「春夏物はまだ欲しいの、でセールで安く買えるのはうれしい」
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これからも続く猛暑。その影響を、経済の専門家に聞きました。一般的に、暑くなると夏物ニーズや日照時間の増加で、消費が増えるといいますが…
第一生命経済研究所 シニアエグゼクティブエコノミスト・新家義貴さん
「暑すぎる夏は、消費を冷やしてしまう可能性がある。暑すぎて外に出ずに消費が抑えられることも十分考えられる」
さらに…
第一生命経済研究所 シニアエグゼクティブエコノミスト・新家義貴さん
「電気代が元々高い中で、エアコンの消費量がかなり増えるから、その他の消費を手控える動きに出やすい」
そこに加えて、今は「円安」に「物価高」。
第一生命経済研究所 シニアエグゼクティブエコノミスト・新家義貴さん
「消費の下押し材料が多い状況で、さらに暑すぎる夏が加わると、一段と消費を押し下げるリスクは否定できない」
東日本から西日本にかけて来週中頃までは猛暑が続くため、外出の際は 熱中症に警戒が必要です。