ひたちなか海浜鉄道 一区間だけ運転を再開
東日本大震災以降、全線で運休していた茨城県の第3セクターの「ひたちなか海浜鉄道」が25日、わずか一区間だけ運転を再開した。
ひたちなか海浜鉄道は、震災で線路がゆがんだり、土台が崩れたりする被害が全線に及んだ。さらに相次ぐ余震で被害が拡大し、6月24日の段階で、関東の鉄道としては唯一全線にわたり運休していた。
通勤や通学などで利用する地元の人に不便がないように代行バスが運行された。しかし、鉄道と比べて時間がかかるなど、不便さを訴える声も少なくなかった。一刻も早く鉄道を再開してほしいと地元住民の声が高まったことで、全線復旧を待たず、安全が確認された区間から再開されることになった。
そして、25日、那珂湊~中根のわずか一区間だけ運転が再開された。それにもかかわらず、始発駅の那珂湊駅は3か月ぶりの運転再開を喜ぶ大勢の乗客でにぎわった。地元の住民だけではなく、大手旅行会社企画の復興支援ツアーに参加した鉄道ファンも多く集まったという。
全線が再開するのは7月末の予定で、夏休みを機に、長引いた運休で減った客足を取り戻したい考え。