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岩手県各地で犠牲者へ鎮魂の祈り

2015年3月11日 12:23
岩手県各地で犠牲者へ鎮魂の祈り

 東日本大震災から4年がたった11日、被災地は一日追悼と復興を願う祈りに包まれている。岩手県内で最も多い1600人あまりの犠牲者を出した陸前高田市にある復興のシンボル「奇跡の一本松」前からテレビ岩手の藤村恵一アナウンサーが中継する。

 11日も朝からこの「一本松」の前で手を合わせる人の姿が見られた。津波で大きな被害を受けた陸前高田市の市街地では、山を切り崩して出た土砂を、総延長3キロに及ぶ巨大なベルトコンベヤーを使って運び、中心部約200ヘクタール、東京ドームのグラウンドの150倍以上を最大で12メートルかさ上げする工事が進んでいる。これだけの大規模な工事は、国内では初めてと言われている。東日本大震災による岩手県内の死者の数は、関連死を含めて5123人、1129人が行方不明のままだ。

 あの日から4年。県内各地は、朝から鎮魂の祈りに包まれている。当時の町長を含む職員40人が犠牲となった大槌町の旧役場庁舎前では、11日午前8時から町の幹部らが出席して追悼式が営まれた。式では、碇川豊町長が、「きょうは、ただご冥福をお祈りするばかりです」と追悼の言葉を述べた。

 一方、宮古市では、11日午前6時から避難訓練が行われた。訓練は震災を風化させず、防災への意識を高めてもらおうと震災の翌年から実施されていて、市内41か所に設けられた避難所で、炊き出しなどが行われた。参加者の女の子は「4年前のことを忘れないで、次に地震が来ときに逃げることができるよう頑張りたいです」と話した。

 震災から4年がたった岩手にとって必要なもの…やはり一番は「住宅」だ。「仮設に住んでいる人は、見えないところでみんな疲れている。住宅が一番だが、本音を言えば震災前にあったもの全部が必要」-ある被災者からはこのような声があがっていた。