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愛子さまが社会人に――今年は“単独公務”も? 皇室の存続どうする…自民党「男系男子の養子」も議論へ【#みんなのギモン】

2024年3月20日 10:22
愛子さまが社会人に――今年は“単独公務”も? 皇室の存続どうする…自民党「男系男子の養子」も議論へ【#みんなのギモン】
天皇皇后両陛下の長女、愛子さまは20日に大学を卒業されます。若い世代の皇族は、悠仁さまを除くと愛子さまを含め5人全員が女性。現在の制度では、女性皇族は結婚で皇族の身分を離れます。皇室の存続へ、国民的な支持が得られる策を議論することが急務です。そこで今回の#みんなのギモンでは、「愛子さま卒業へ 皇室の今後は?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。

●愛子さま 卒業後は?
●皇族減少 打つ手は?

■伊勢神宮と神武天皇陵へ…節目の参拝

近野宏明・日本テレビ解説委員
「皇族の数が減り、公務の負担が増えるだけではなく、皇室そのものをどのように存続させていくのか。その議論が急がれる状況となっています。天皇皇后両陛下の長女、愛子さまは20日に学習院大学を卒業されます」
「26日は三重県の伊勢神宮を、27日は奈良県の神武天皇陵を参拝されることが発表されました。皇室では、人生の節目に皇室の祖先とされる天照大神がまつられる伊勢神宮と、初代天皇とされる神武天皇の陵への参拝が慣例となっています」
「愛子さまは中学生時代の2014年に伊勢神宮へ、2016年には神武天皇陵へ、天皇皇后両陛下とともに参拝されましたが、お一人での参拝は初めてになります」

藤井貴彦アナウンサー
「大学の4年間(を終えられ)卒業されて本当におめでとうございます、という気持ちです。私たちも大学を卒業すると社会人としての振る舞いが求められますから、お1人での参拝、新しいお仕事が増えていくんじゃないかなと思いますね」

■4月からは日本赤十字社の嘱託職員に

近野解説委員
「愛子さまはこの春、就職されることが内定しています、4月からは日本赤十字社の嘱託職員として週に何回か出勤されるということです。日赤の名誉総裁は母の皇后雅子さまです」
「具体的な仕事の内容はまだ決まっていないということですが、5月には全国赤十字大会が開かれます。ここには皇后さまもご出席予定で、愛子さまが事務方として仕事をすることも考えられます」

■仕事と公務の両立で…「お言葉」も?

近野解説委員
「では、皇族の一員としての公務はどうでしょうか。愛子さまは今年、単独公務デビューをしてお言葉を述べられる姿が見られるのではないかと、注目されています」
「社会人としての仕事と公務を両立できるように、嘱託職員として働くということです。遠くないうちに単独の公務に臨まれる日が来るかもしれません」

徳島えりかアナウンサー
「最近、昼食会などの様子を拝見していても、本当に堂々とされていて、これからより様々な場でお見かけできるようになるのかなと思うと楽しみですね」

近野解説委員
「そういった機会が、日本赤十字社のお仕事と並行してこれから私たちの目に触れることが多くなってくるかもしれません」

■皇族が減少…若い世代の男女比は

近野解説委員
「今後、様々な重要な公務がある皇室の担い手の1人ということで愛子さまは期待されていますが、以前から皇族全体の減少が課題になっています。今、皇族は 17人の方々で構成されています」
「若い世代では、悠仁さま以外は愛子さまを含めて5人全員が女性です。女性の皇族は今の制度だと結婚すると皇族の身分を離れることになっているので、このままいくと、もしもの話ですが、悠仁さま以外に将来皇族がいなくなることも考えられます」

■結婚した女性も皇室に残る案を議論

近野解説委員
「ここからは『皇族減少 打つ手は?』のポイントについて考えます。自民党は18日、2回目となる『安定的な皇位継承の確保に関する懇談会』を開きました。この場で議論されたのは、皇族の数を確保するための案です」
「18日は、女性皇族が結婚した後も皇室に残る案について議論されました。結婚した後も皇族の身分を離れないという案です。懇談会の木原事務局長は、これについて『認められない、反対といった意見はなかった』と説明しました」

澁谷善ヘイゼルアナウンサー
「反対意見がなかったということは、これから進展があるんでしょうか?」

近野解説委員
「自民党の内部の懇談会ですので、現時点で決定事項ではないのですが、一歩方向性が見えてきたのかなとも言えそうです」

■懇談会では「養子」の案も議論へ

近野解説委員
「この懇談会では今後、皇族が旧宮家の男系男子を養子に迎える案なども議論されます。これは旧宮家(戦後に皇籍を離脱した宮家)の中で父方だけをたどっていった時に、天皇がいる男子(男系男子)を養子として迎えるという案です」
「法律ではこれまで、皇室に養子を迎えることは認められていませんでした」

■解説委員が示す「本質的な問題」とは

近野解説委員
「この懇談会では、皇族の数を確保するための話し合いが進んでいますが、そもそも今の制度では天皇になれるのは男系男子に限られているため、愛子さまが皇位を継承されることはありません」
「そういった中で、将来にわたって皇室を安定的に維持するために、もう一歩踏み込んだ議論が必要だという声も聞かれます。日本テレビ社会部で宮内庁を担当する笛吹雅子解説委員に聞きました」

笛吹解説委員
「本質的な問題は、この先皇室という制度は続いていくのか。悠仁さまに男のお子さまが生まれなかった場合に、今のままでは皇室がなくなってしまうのではないか、それでいいのだろうかということです」

■「遅いくらい」…元宮内庁幹部の危機感

近野解説委員
「笛吹解説委員の取材によると、ある元宮内庁幹部は『議論を始めるのはもう遅いくらいだが、今からどこからでも手をつけていかないと、また何年もたってしまう』と強い危機感を示していました」

徳島アナウンサー
「国民の感情的なものだけでなく、国際関係や外交面でも皇室の皆さまの存在は非常に大きいと感じますので、今後も続いていくためには、もう何かを変えなくてはいけない時期に来ているということですよね」

■宮内庁幹部「大多数の支持が必要」

近野解説委員
「皇室の役割は本当に大きいものがあります。一方である宮内庁幹部は『皇室の制度を変えるには、半数以上というよりは大多数の支持が必要だと思う』と話しています」
「上皇さまが退位された時は各種の世論調査で国民の大多数が支持しているという状況があり、それで特例という形で退位が決まりました。これと同じように、8割や9割の支持がないと、皇室の制度を定めている皇室典範はなかなか変えられないだろうといいます」
「それだけ皇室の制度を変えるのは簡単ではないということです。そうして手をこまぬいている間に何十年もたってしまって、今があるというわけです」

藤井アナウンサー
「外野からこのように議論を進めていったとしても、皆さん人としての人生があるわけですよね。悠仁さまは17歳、愛子さまは22歳。まだお若い人たちが議論の真ん中にいる状況です」
「1人1人の人生もしっかり考えつつ、議論を実際に進めていくことが一番求められていて、これが何十年も続いてしまっているのが最も問題なんじゃないかなと感じますね」

近野解説委員
「待ったなしの状況ですが、我々国民が無関心だと制度がなかなか変わらず、結果このまま皇室がなくなってしまうような(可能性がある)ところまで来ています」
「伝統と世の中の変化をうまくバランスさせながら、今後のあり方については深く、一定のスピード感を持って検討を進めていただきたいと思います」

(2024年3月19日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

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