各陣営のSNS戦略 “バズる”タイミング狙って…アイデアを絞り試行錯誤 都知事選“特化チーム”の存在
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東京都知事 小池百合子氏(先月23日)
「皆さん、おはようございます」
子育て政策の演説会に出席していた、現職の小池百合子氏。
子どもたちと交流したそのウラで、控え室にこもり、パソコンと向き合うスタッフがいました。
ボランティアスタッフ
「記録用に撮った動画なんですけど、投稿できるかを確認しながらカット(編集)している作業です」
演説会の映像を、SNSに投稿するため、さっそく編集を始めていました。
狙いは、政治に関心がない人にも、小池氏の人柄と政策を広めることです。
小池氏本人の提案で始めた、ニュースのようにこれまでの実績を伝えるAIゆりこや…
自宅で撮影する縦動画など、SNSでの発信に力を入れている小池陣営。
中には、再生回数が1700万回を超えるものも。“バズる”タイミングを狙って、投稿しているといいます。
一方、前参議院議員の蓮舫氏。
鋭く切り込む様子から、“怖いイメージ”を持たれがちだといいますが、SNSで力を入れているのは…
前参議院議員 蓮舫氏
「うれしいな。応援しているとか、元気が出ます」
自宅からのライブ配信です。Tシャツ姿で愛犬を抱え、視聴者の質問に答えていました。
SNS担当 西崎つばさ都議
「怖いという印象を持たれがちだったところを、彼女が持っている柔らかさや、政治家として抱えてきた苦悩を、身近に感じてもらえるようなことを考えて、発信しています」
“自然な姿”をみせて、有権者との距離を縮める作戦です。
そして、これまでも積極的にSNSを活用してきた、安芸高田市の前市長、石丸伸二氏。得意なSNS戦略は…
「SNSに拡散お願いします」
石丸氏に関する投稿を増やし“拡散”させることです。
スタッフ
「写真、動画、どんどん撮ってください。SNS拡散お願いいたします」
演説の様子を人々に撮影してもらい、ユーチューブなどに投稿してもらうことで、人の目に触れる回数を増やす狙いです。
実際に、ユーチューブで“石丸伸二”と検索してみると…
記者
「非公式の動画も結構あがっていますね。この動画は再生回数が100万回を超えています」
石丸陣営が投稿した動画ではないにもかかわらず、再生回数が100万回を超えるものもありました。
選挙戦略を担当 藤川晋之助氏
「ここまではねるとは思っていなかった。彼自身が『私ユーチューバーの石丸です』と言っちゃう。一番(SNSを)駆使できている人間だから、ストレートに効果が出ている」
繰り広げられる、SNSでの激戦─。
元航空幕僚長の田母神俊雄氏は…
広報担当者
「15秒くらい、いつも通りのぼやきを撮ってください」
撮影していたのは、”としおのぼやき”というタイトルで投稿しているショート動画です。
元航空幕僚長の田母神俊雄氏(ショート動画より)
「私は意外に若い人にはネットで人気があるんだよね」
台本はなく、田母神氏が短い時間で自由に語るシリーズですが、いざ撮影が始まると…
元航空幕僚長 田母神俊雄氏
「選挙戦も後半になったけどね。支持が広がらないということで、どうしてかなと…」
ぼやき続けること4分。
事務所スタッフ
「20秒くらいで」
元航空幕僚長 田母神俊雄氏
「20秒か」
事務所スタッフ
「ぼやきなので。さくっとショート動画撮っていくので」
元航空幕僚長 田母神俊雄氏
「ああそうなのか。そうかそうか」
改めて短い動画を撮り直し、SNSに投稿しました。
田母神事務所広報局長 池下宰史さん
「(田母神さんの)素の部分を出すことに終始して、その部分を皆さんに伝えていこうというのをメインに考えています」
──手応えは?
田母神事務所広報局長 池下宰史さん
「まだまだです。シフトチェンジしながらブラッシュアップしていきたいなと思ってます」
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過去最多の56人が立候補している都知事選。ほかにも以下の方が立候補しています。
投開票日は、7日7日です。