大隅教授にノーベル賞 関係者から喜びの声
今年のノーベル生理学・医学賞に、細胞のリサイクル機能「オートファジー」の分子メカニズムを解明した東京工業大学の大隅良典栄誉教授(71)が選ばれた。大隅教授の受賞に関係者からは喜びの声が上がった。
受賞決定の瞬間、大隅教授の地元・福岡では同級生たちが喜びに包まれていた。
大隅教授の同級生「僕は化学クラブで一緒だった。それで大隅さん部長してたから。(Q:そこから東大に?)模擬テスト1番や2番や、僕らとはレベルが違う」「末っ子だったからおちゃめな部分があって、決して堅苦しくないし、友達の中には必ず彼がいた。まったく勉強のかけらも見せない感じだった」
共に研究を行ってきた研究者は―
大隅教授と共に研究を行った自然科学研究機構 基礎生物学研究所・壁谷幸子さん「いつもニコニコされていて、穏やかで、先生が怒られたとこはあんまりないというか見たことない。顕微鏡のぞいて観察するっていうのを楽しんでいるというかたちで」
大隅教授は流行を追いかけるのではなく、「自分の疑問に対する答えをどう見つけるかが大事だ」と、ことあるごとに言っていたという。
ノーベル賞の受賞を受け、大隅教授の自宅には大勢の報道陣が集まった。過去には共同研究をしていたこともある妻・萬里子さんが電話をしていた。
萬里子さん「なんかね~テレビの人きちゃった。(Q:奥さんご主人ですか?)(うなずく)」
明日の予定について、大隅教授から電話がかかってきていた。
萬里子さん「(Q:大隅教授は家事とかもする?)時間がないですね。やればお料理なんかも上手なんですけど、帰ってきたらくたびれてますから。(Q:大隅教授はお休みの時はどう過ごす?)庭仕事ですね。草とりやったり、掃いたり、好きみたいですね。みなさんと一緒に受賞を喜びたいと思います」
大隅教授の10歳以上年の離れた兄・和雄さん(83)には、ノーベル賞の受賞の発表後、大隅教授から電話があったという。
和雄さん「(電話では)何か『決まった』というだけですね。特にそう興奮したあれ(様子)でもなくですね。小学校の頃から負けると泣いてましたけどね」
大隅教授の教え子が撮影した映像では、ノーベル賞の発表直後に電話が鳴り、大隅教授は「ありがとうございます」と答えている。ノーベル賞の関係者からの電話だったのだろうか。
東京工業大学では3日夜、学生たちが祝杯を上げていた。
大隅教授の一番弟子だという大阪大学大学院の吉森保教授は―
吉森教授「本当にうれしく思っています。20年一緒に、最初は本当に同じ研究室でやらせてもらって、独立した後も色々なかたちでサポートしていただいて私も研究してきたけど、大隅先生の最初の頃からのオートファジー研究のご苦労は間近で見てきましたので、それが報われて本当によかった」
共同研究者は―
大隅教授の共同研究者 微生物化学研究所・野田展生主席研究員「お酒は大好きですね。とりあえず。趣味はやっぱりオートファジーなんでしょうね。オートファジーの父といってもいいと思います」
オートファジーの父といわれる大隅教授。これで日本人のノーベル賞受賞者は25人となった。