「保護なめんな」ジャンパーで第三者委報告
神奈川県小田原市の「保護なめんな」ジャンパーの着用問題で6日、第三者委員会による検証報告書がまとまった。
小田原市役所では、生活保護担当職員の一部が「SHAT・生活保護悪撲滅チーム」「保護なめんな」などと書かれたジャンパーなどを作り、10年にわたって家庭訪問時に着用するなどしていたことが、今年1月に発覚し、問題化した。
6日、学者などで作られた第三者委員会が、市長に検証報告書を提出した。報告書では10年前、ケースワーカーが元生活保護受給者に切りつけられる事件が起き、職員のモチベーションが低下したため、団結力を高めようと問題のジャンパーが作られたとしている。
また、生活保護の担当部署に利用者の「自立支援」よりも、「不正受給を疑うところから業務が始まっている空気がある」と指摘。市役所内での孤立感も背景にあったとして、「全庁的に人権意識を高め、他部署とも連携しながら業務を行うことで、ケースワーカーの孤立を防ぐこと」などの再発防止策を提言した。
一方で、生活保護受給者を悪者と決めつけるような行為を10年も続けてきた担当部署の意識の低さなどに対する厳しい指摘はみられなかった。