極意直伝「さんま焼き師」認定試験 大船渡
本州一のサンマの水揚げを誇る岩手県大船渡市で、サンマを焼く極意を認定するユニークな試験が行われた。
サンマを極める。週末の大船渡港に、愛知や東京など市内外から多くの人が集まった。実は彼らは、「さんま焼き師」の認定試験の真っ最中。
この「さんま焼き師」認定試験は、サンマのまち「大船渡」を広くPRしようと去年から始まり、今年は前回よりも30人ほど多い113人が受験した。実技講習と筆記試験を2日間にわたって行う試験の初日は、サンマのおいしい焼き方を学ぶ。
〈極意一.〉サンマを持ち上げるときは、ボディ全体をトングで挟むべし!
〈極意一.〉サンマは「火」で焼くべからず、「熱」でじんわり焼くべし!
講師直伝の焼き方を学びながら、参加者は真剣なまなざしで取り組む。
参加者の中に、ゴーグルをつけやる気十分の一人の男性が…。市内の飲食店で板長として働いている紀室修さん(38)。店からの勧めで受験を決めた。料理人の紀室さんは、実技講習ではまわりの参加者を引っ張りながらサンマを焼き上げていく。
焼き師に認定されると各地のイベントでサンマを焼くため、観光客などに対応できるようサンマに関する知識も必要とされる。2日目に行われる筆記試験の問題は20問。8割以上の正解で合格となり、今月末に結果がわかる。
愛知県からの受験生「合格したら、焼き師秘伝の焼き方で、地元のイベントで焼いていきたい」
紀室さん「大船渡を楽しみに来てくれるお客さんに恥ずかしくないようにサンマを出したい」
主催した大船渡市観光物産協会の金野博士さんは、「今回から認定証を営業用に使うことも検討していて、例えば、店先に(「さんま焼き師」の)のぼりを立てる、のれんを下げるというように利用してもらいたい」と展望を語る。
まもなく訪れるサンマの季節。「さんま焼き師」たちの活躍に注目だ。