ヤマカガシにかまれた…症状は?対処法は?
兵庫県宝塚市の山中で30日、10歳の男児が「ヤマカガシ」とみられる毒ヘビに左手の人さし指をかまれた。男児はこの後も右手首をかまれたという。男児は夜になっても出血が止まらず、搬送先の病院で一時意識不明となった。
私たちの身近に生息している「ヤマカガシ」。被害を防ぐにはどうしたらいいのか。
■ヤマカガシとは?
「ヤマカガシ」は、日本に生息する主な毒ヘビ3種類(ハブ・マムシ・ヤマカガシ)の一つ。日本蛇族学術研究所によると、血液に入った場合の毒はヤマカガシが最も強く、ハブの8倍、マムシの4倍と言われている。
今回、小学生をかんだヘビは60センチほどだが、専門家によると、ヤマカガシは、大きいものだと150センチにも及ぶという。
性格はおとなしく、マムシとは違い毒を持つ牙が奥歯の辺りにあるため、かまれても比較的傷が浅いケースが多く、1972年に中学生がヤマカガシにかまれて死亡するまでは無毒のヘビとされていた。
■ヤマカガシの見た目、生息地
ヤマカガシの体は今回の場合、緑色だったが、これは近畿地方でよく見られるもの。関東や東北地方では、体に赤や黒のまだら模様があるものが一般的で、地域によって異なるので注意が必要だ。
日本国内では北海道や沖縄を除いた場所に生息していて、主に水田や河川敷など我々の身近なところにいる。
■ヤマカガシにかまれた その症状は?
かまれた瞬間は当然、痛みがあるが、その後はマムシのように腫れたり痛みがあったりはしないという。ただ、体内に入った毒によって歯ぐきや傷口などから出血が続き、激しい頭痛がみられるという。
脳内出血や腎不全で死亡するおそれもある。1972年以降、国内では重症となった例が50件、死亡例も4件報告されている。
■現場での対処法は?
かまれた直後にできる対処法としては「手で傷口のあたりをつねって毒を絞り出す」ほか、スポイト状の毒の吸引器が市販されているので、こうしたものを使う方法もある。ただ、こうした対処をしても重症化するおそれがあるので、すぐに病院に行くことが大事だ。
■身近な危険 再確認を
夏休みということもあり、家族で山や川などへ出かける機会も増えてくると思う。
ヤマカガシはおとなしい性格ということだが、見つけても安易に近づいたり、触ったりしないよう、注意が必要だ。
出かける前には、家庭内でもう一度、身近にいる危険な生き物について確認してみるのもいいだろう。