毒キノコ食中毒防ぐための「4ない」とは?
今月20日、愛知県名古屋市の公園に生えていた毒キノコを食べた男性3人が食中毒の症状を訴え、入院していたことがわかった。3人はキノコをバーベキューで焼いて食べていた。毎年発生している毒キノコによる食中毒被害を防ぐには、どうしたらいいのか。
3人が食べた毒キノコは「オオシロカラカサタケ」で、見た目は白または茶色、カサの直径は様々だが、大きいものだと30センチにもなる。
夏から秋にかけて公園の芝生や民家の庭、校庭などの草地に何本も集まって生えるという。強い毒があり、食べると激しいおう吐や下痢、腹痛などの症状が出る。
■毒キノコ被害を防ぐため「4つのない」
こうした毒キノコの被害を防ぐために、厚生労働省は「4つのない」を呼びかけている。
食用だと確実に判断できないキノコは絶対に
「採らない」
「食べない」
「売らない」
「人にあげない」
こうした注意喚起にもかかわらず、毒キノコによる食中毒は毎年発生している。過去の事例を見ると、毒キノコを口にするいきさつは様々だ。
2014年、滋賀県高島市の道の駅の直売コーナーで毒キノコの「ツキヨタケ」を、食べられる「ヒラタケ」と誤って販売され、買って食べた14人が腹痛など食中毒の症状を訴えた。
こんなケースもある。去年、茨城県筑西市に住む家族が親戚から食用の「イッポンシメジ」としてキノコをもらったが、実は毒キノコの「クサウラベニタケ」で、食べてしまった家族5人がおう吐や下痢などの症状を訴えた。
■日本の毒キノコ
日本のキノコは3000種類ほどで、そのうち毒キノコは200~300種類ほどと言われている。厚生労働省は、食中毒の件数が多く間違いやすい毒キノコとして「クサウラベニタケ」「ニガクリタケ」を挙げている。
クサウラベニタケは食用の「ハタケシメジ」、ニガクリタケは食用の「ナメコ」と似ているためで、専門家であっても見分けがつきにくい。ましてや、一般の人が図鑑の写真など見て勝手に判断するのは禁物だという。
■これからもっと注意
厚生労働省の統計では、毒キノコによる食中毒のうち実に9割が9月から10月に起きている。これから秋を迎え、知人から「食用だから」ともらったキノコを食べて食中毒になるケースも増えてくるという。
毒キノコに関しては自己判断や過信は禁物で、くれぐれも注意が必要だ。