妻への感謝が夫婦を救う?旦那デスノの叫び
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「だんなデスノート書籍化」。子育て・教育問題などにも深く斬り込む、日本テレビ社会部・岸田雪子解説委員に話を聞いた。
「だんなデスノート」とは、夫の死を願う、妻たちの叫びが書き込まれたウェブサイトのことだ。サイトの中にはこんな書き込みがあった。
「ATMとしても駄目 夫としても駄目 父親としても駄目」
「旦那のサラダだけ、野菜洗わず盛りつけてます」
このような書き込みをまとめた本が出版され、話題となっている。ネット上ではこんな声があがっていた。
「これを本にしてしまうなんて」
「独身が読むと、未婚率がさらに上がる」
「笑って読み流すくらいじゃないと」
――この話題について、岸田さんはどうご覧になられているのでしょうか。
「妻にとってキツイ時代なんです」というのが私の考えです。“だんなデスノート”自体、実際に皆さんが書いていること全てが事実かもわかりませんし、また、表現自体は過激なものもあるので、みんなが共感しているということではないかもしれませんけれども、それだけ話題になるというのは、世の奥様方にとってキツイ時代なんだという背景があるんじゃないかなと思うんですよね。
女性は活躍せよとか、一方で少子化対策なんだから産めというような、いろんなプレッシャーがあって。一方で社会的な仕組みはまだまだ整わない。ですから、結局は個人で何とかしなければいけないという負担がとてものしかかっているんじゃないかなと思うんですね。
一方で、妻のパートナーはといいますと、実は総務省が使ったこんな調査結果があります。旦那さんがここ5年間で育児をする時間がどれくらい増えたのかというアンケートをしたところ、実際10分しか増えていなかったというのがあったんです。
一方で、旦那さんが趣味ですとか、自分の癒やしのために使っている時間はというと、こちらのほうが実は増えていた…というような結果もあったりして。これでやっぱり奥様のほうは、“ワンオペ育児”なんて言葉もずいぶん浸透しましたけれども、「私だけこれだけ頑張っているのに」という怒りのボルテージが上がってしまう。こんな時代なんだなということだと思うんですよね。
――ぜひ、“いい夫婦の日(11月22日)”をいい形で迎えるためにも、そういう奥様の叫びを、これをきっかけに知っていただくというのが。
全部見てくださいとは言いませんけれども、まず、せっかく“いい夫婦の日”ですし、23日はちょうど祝日で勤労感謝の日ですから、お勤めに行くパパに感謝というだけじゃなくて、家の中での家事や育児なども、無償労働ですけれども大変で、家の中にある大事な仕事でもあるわけです。
ですから、そういったことを頑張っている奥様にぜひ感謝の気持ちを言葉にしていただいて、また、家の中でご主人がどんなお仕事ができるのかというのを、これをきっかけにぜひ話し合ってみてはいかがかなと思いました。
【the SOCIAL opinionsより】