今年のインフルエンザ 特徴は?予防法は?
先月31日までの1週間に医療機関を受診したインフルエンザ患者は、10日に発表された推計では約101万人という。この前の週が推計で66万人ということから、1週間で35万人増えたことになる。そして、昨シーズンの同じ時期に比べても多くなっている。
今年も流行が本格化してきたインフルエンザについて、諏訪中央病院の鎌田實名誉院長が解説する。
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去年、予防接種のワクチン不足というニュースを伝えたが、現在では例年通りワクチンが接種できるようになった病院も多くなっているという。ワクチン接種をしていない人は、今からでもした方がいい。
基本的にインフルエンザワクチンは重症化を防ぐもの。接種から効果が出るまでには2週間ほどかかると言われている。本来、12月の中旬までの接種が望ましいとされているが、今からでも遅くはない。
■今シーズンのインフルエンザの特徴は?
――都内の小児科医師に聞いた。
おりつこどもクリニック・折津友隆院長「本来はA型が先に流行がきて、少し落ち着いてからB型の流行がきて、その流行が終わって全体のシーズンが終わっていくのが典型的なパターンになるけれども、先週くらいからはB型の患者もA型と同じ数ぐらい出てきている」
つまりA型とB型どちらも流行しているということだ。A型が治ったと思ったら、今度はB型にかかってしまう可能性もあるので、油断は禁物。
■“隠れインフルエンザ”にも注意が必要!
――感染症に詳しい国立がん研究センター中央病院の岩田敏感染症部長に聞いた。
岩田感染症部長「あまり高い熱が出ないとか、軽い症状だった場合は、家で様子を見ていることが多いと思うんですけれども、中にはあまり強い症状が出なくて、でも実は調べるとインフルエンザというような方もいらっしゃる」
基本的にインフルエンザにかかると、38℃以上の発熱・頭痛・関節痛・倦怠(けんたい)感などの症状が表れる。ただ、高齢者は高熱が出にくいこともあるし、ワクチン接種をしていると軽い症状で済むことも考えられる。
だからといって人にうつさないかというと話は別。症状が軽くても注意が必要で、この時期、体の不調を感じたらインフルエンザを疑って、マスクなどで周りの人にうつさないように、感染を広げないような注意が必要。
■予防法は?手洗いやマスク着用、加湿も重要!
【予防-1】
インフルエンザの主な感染経路は、感染した人の「せき」や「くしゃみ」で飛び散ったウイルスを吸い込んでしまう飛まつ感染か、そのウイルスが付着したものを触ってうつる接触感染。手洗いの徹底やマスクを着用してウイルスを体内に入れないことが予防の第一歩。
【予防-2】
加湿器などを使い湿度を保つことも効果的だ。冬場は暖房などによって乾燥しがち。空気が乾燥すると粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなる。加湿器がない場合は“ぬれタオル”を部屋に干すだけでも湿度を上げることができる。厚生労働省は室内の湿度を50~60%に保つことが効果的だとしている。できれば目安にしてほしい。
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インフルエンザの流行は3月頃まで続く。手洗いやマスク、温度・湿度を保つことを意識して予防を心がけたい。