噴火から1週間…新燃岳は今 注意点は?
新燃岳が噴火して8日で1週間だが、現在どうなっていて、どんな影響が出ているのだろうか?
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6日に爆発的噴火があったときの新燃岳の映像では、もくもくと噴煙が立ち上がり、夜になると真っ赤になった噴石が飛び散っていた。かなり激しい噴火だった。
この新燃岳は鹿児島県と宮崎県にまたがる霧島連山の一つ。1週間前に小規模な噴火が起きたが、6日から7年ぶりとなる爆発的噴火が起きた。7日までに34回観測されていて、つまり2日間で映像のような噴火が34回あったということになる。近くに住んでいる方は不安な日々が続いていることだろう。
■各地で噴火の影響が
実際に噴火の影響が出ている。まず、新燃岳の北側にある宮崎県えびの市。雨と火山灰で視界は真っ白。案内板にも灰がこびりついて、ほとんど読めない状態だ。
そして鹿児島県霧島市でも影響が出ている。
白菜農家「やられてしまっているんですよね。灰でどろどろに。灰がつくとダメですね。灰の熱で」
出荷前の白菜に火山灰が降り積もってしまい、農作物にも影響が出ている。茶畑でも風が吹くと灰が飛び散る様子が見られた。
さらには、交通機関にも影響が出た。7日の鹿児島空港(鹿児島・霧島市)の映像では、飛行機が離着陸するたびに火山灰を巻き上げていた。8日は平常通りの運航ということだが、今後の噴火や風向きによっては、運航に影響が出る可能性もあるという。噴火はまだ続いているから安心はできない。
■新燃岳で何が起きているのか?
では、新燃岳で何が起きているのだろうか。7年前に噴火したときの溶岩で火口がふさがれた状態だったが、今は東側から溶岩が流れ出し、さらには西側からも噴煙がふき出している。現在、新燃岳の火口には大量の溶岩がたまっていて、専門家によると、縁が低い西側から「ここ数日中にも溶岩があふれる可能性がある」と指摘している。
■今後どんな注意が必要なのか?
自然災害は人間の力ではどうにもできないから、見守るしかないのだろうか。今後私たちがどんなことに注意が必要なのかというと、1つが「土石流」。火山灰が降り積もっている場所に雨が激しく降ると土石流が発生する恐れがある。
次に「火山ガス」。新燃岳では火山ガスが急増していて、7日は1日で3万4000トンの火山ガスが観測されている。これまでで最も多かったのは7年前の1万2000トンだったので、その3倍近い量が出ている。それだけ火山活動が活発ということになる。
そして最後が「空振」。空振とは噴火の影響で空気が振動し、衝撃波のように伝わる現象。7年前に噴火したときの映像では、空に白い線ができているのが分かる。このように空気が激しく揺れ動き、建物のガラスが割れるなどの被害が出た。今回もこの空振が起きる可能性があるため、窓ガラスに「保護フィルム」などを貼ると、ガラスが飛び散らなくて有効だという。
噴火から1週間がたったが、今後さらに大きな爆発的噴火が起きる恐れもあるため、引き続き警戒が必要だ。