名所でないのに外国人殺到?人気ツアー探る
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ゴールデンウイーク中、多くの外国人観光客も日本を訪れているが、いわゆる名所ではない日本人にとっては当たり前の光景に外国人の関心が高まっている。今、ツアーが組まれるほどの人気ぶりとなっている、その秘密を探る。
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古い町並みが残る岐阜・飛騨高山。ゴールデンウイークに入り、観光客でにぎわう中、多くの外国人の姿も。今ここ飛騨高山で外国人観光客からの人気が高まっているのが、自然の中をガイドの説明を受けながら自転車でめぐるツアー。
日本人にとっては“当たり前”の風景が、外国人にとってはおもしろいという。同行してその人気のワケを探ってみると―。
道ばたのわき水に興味津々。スペイン人の女性は、わき水を見るのは初めてだという。
ガイド「ここで水をくめます」
女性ツアー客「すごくおいしい!フレッシュな気持ちになるわ」
男性ツアー客「しかし、すごい水量だね!」
女性ツアー客「もったいないわ~」
ガイド「川に流れていきますから大丈夫ですよ!」
水が流しっぱなしになっていることがおもしろいようだ。
ポーランドから来た女性は至る所で写真を撮っていた。
ツアー客「美しいわ!すばらしい!」「みんな桜に興奮して楽しんでたわ」
日本人にとっては何気ない風景でも、外国人にとっては初めて目にするものばかり。直売所では―。
ツアー客「あれは何?」
ガイド「どれですか?」
ツアー客「あの巨大なものよ」
ガイド「あの白いもののこと?」
一体何に目がとまったのだろうか?
ツアー客「こんな大きいのありえない」
「大根」だった。初めて見たということで、その大きさに驚きを隠しきれない様子。
ツアー客「ジャガイモの仲間かしら?」
ガイド「ジャガイモではないです」「みそ汁とかに入れて食べるんですよ」
日本人観光客も参加できるこのツアー。
ツアー客「田植えをするとき手でやったんですか?」
ガイド「田植えをするとき手でやったんですかって」
日本人客「マシンです」
ツアー客「手で植えた方がロマンチックじゃない!」
国を越えた交流も魅力の一つ。
SATOYAMA EXPERIENCE・松尾和久ガイド「日本の田舎の景色を見たいということでこういったところを選ばれて、うちのツアーに参加する方も多くて、日本の違った面を見られてよかったという声はすごく多いです」
3時間半ほどめぐるこの自転車ツアー。SNSや口コミサイトで注目され6年間で外国人の客は10倍以上になっているという。
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ところ変わって、東京・有楽町。ここでも日本人にとっては、何気ないことが外国人に人気だという。
ツアー客「ちょっと変わってるツアーだから、このツアーに参加したの」
この日のツアーには、オーストラリアからの夫婦とアメリカからの夫婦の2組が参加。ちょっと変わっているというツアー。向かった先は、なんとガード下。
ガイド「ここはガード下と言われ、全部がバーなんです」
女性ツアー客「あら、これ全部バーなの?」
ガイド「1回目を1次会と言います。仕事のあと、上司が飲みに行くぞと誘うんです」
ガード下に居酒屋が軒を連ねるのは“日本独特”の文化だという。
実際にお店の中へ―。
日本酒で乾杯し、メニューは、えだまめやハムカツを注文。
女性ツアー客「雰囲気がいいわね、全てがすばらしいわ」
男性ツアー客「普通の日本人と一緒にいる感じがするね」
ここでアメリカ人女性が店のいたる所にぶら下がっていた、てるてる坊主が気になったようだ。
女性ツアー客「上の小さな幽霊はどんな意味なの?」
ガイド「次の日が晴れますようにと人々は願いを込めてつくるんです」
男性ツアー客「晴れるようにか」
女性ツアー客「明日は1日ツアーだから、私もつくらなくっちゃ」
ツアーでは、街中にある自動販売機の説明も。
ガイド「中には、大地震など緊急時には遠隔操作で開き、ドリンクが無料で提供されるものもあるんです」
そしてツアー終盤に訪れたのは、宮崎県の料理を提供する居酒屋チェーン「塚田農場」。郷土料理の肉巻きおにぎりや鶏の炭火焼きなども堪能。
ガイド「チキン南蛮、これは郷土料理です」
男性ツアー客「食べたもの半分も覚えられないよ」
男性ツアー客「僕らだけではこういう場所には来られないからね。あまり外国人客がいない場所で日本の本当の姿を感じられたよ」
ツアーガイドによると、日本人が普段行くような場所に行きたいという需要が増えているという。
ツアーガイド・片岡敏志さん「単純にすき焼きとか忍者だけじゃなくて、本当に日本の人はなんでこうなんだろう、なんでみんな信号守るんだろうとか、どういう暮らしをしているんだろうとか、そういう深いところに関心がいっているから、こういったツアーが人気あるんじゃないですかね」
さまざまな飲食店の他、ところてん作りの体験、せんべい店などを巡り、ツアーの代金は1人約1万5000円だという。