皇太子ご夫妻、結婚25年 文書全文1
皇太子ご夫妻は9日、結婚25年を迎えられた。お二人は文書で感想を寄せられた。
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■皇太子同妃両殿下御結婚満25年に際しての文書回答(1/3)
【問1】
結婚25年の節目にあたり、両殿下にそれぞれお尋ねします。お二人が歩んできた日々を振り返り、うれしかったこと、新たな発見、戸惑われたこと、そして夫婦円満のために心掛けてこられたことなど、それぞれ具体的なエピソードも交えてお聞かせください。お互いにどのような言葉を贈り、点数を付けるとすれば何点を差し上げたいかもあわせてお聞かせください。
皇太子殿下
平成5年に皆様から温かい祝福をいただいて結婚してから、25年が経つのかと思うと、時の流れの速さを感じるとともに、感慨深いものがあります。
この25年間、二人で一緒に多くのことを経験し、お互いに助け合って、喜びや悲しみなどを分かち合いつつ、歩んでまいりました。また、愛子が生まれてからは、愛情を持って子どもを育て、安らぎのある温かくて明るい家庭を築くことを心掛け、三人で日々を過ごしてまいりましたが、家族の絆と、家族がいることのありがたさを実感しています。そして愛子も高校2年生に成長し、話し相手にもなってくれますし、最近では、第1回「山の日」記念全国大会を始め、三人で色々な式典や行事に出席する機会も増え、うれしく思っています。
そうした中で、ご質問のあった、夫婦円満のために心掛けてきたことについて思いつくのは、相手を思いやり、相手の立場に立って物事を考えること、そして、お互いによく話し合い、また、大変な時にも、「笑い」を生活の中で忘れないように、ということだと思います。雅子は、この25年間、大変なこともある中で、色々な努力を続け、また、私と愛子をしっかりと支えてくれており、ありがたく思うとともに、心から感謝しています。点数を付けるのは難しいですが、今回は、結婚10年の折の「努力賞」と「感謝賞」のダブル受賞に加えて、銀婚式に因んで銀メダルも贈りたいと思います。
これまで多くの方々にお助けいただき、こうして結婚25年を迎えることができますことを大変ありがたく思います。天皇皇后両陛下には、私たち三人を温かくお見守りくださり、また、お導きいただいておりますことに心より感謝申し上げます。また、私たちに温かいお気持ちを寄せていただいているすべての方々に対して、この機会に改めて心からの感謝の気持ちをお伝えします。
皇太子妃殿下
25年前の6月9日、多くの国民の皆様に温かい祝福をいただいて結婚の日を迎えましたことを、昨日のことのようにも、また、はるか遠い昔のようにも感じながら、懐かしく思い出しております。
この25年間は、短かったようでもあり、長かったようでもあり、沢山の喜びも悲しみもありましたが、皇太子殿下には、いつも傍らで私を支えて下さいましたことに感謝の気持ちで一杯でございます。これ迄の25年間を振り返りますと、様々な出来事が走馬燈のように頭の中を巡り、感慨深いものがございます。皇室に入りましてから間もない頃、殿下からご助言をいただきながら、初めての公務の一つ一つに臨んでおりました頃のことも懐かしく思い出します。
我が国は、この25年の間に、阪神・淡路大震災や東日本大震災を始めとする大きな自然災害に幾度も見舞われ、その度に、大切な方を亡くされたり、被災されたりした大勢の方々の悲しみやご苦労を思うにつけ、私たちにとりましては他人事ではなく、深い悲しみを覚えました。同時に、そのような中から、人々が助け合いながら立ち上がり、困難を乗り越えてこられた姿に大きな希望と勇気もいただいてまいりました。
平成13年末に愛子が生まれましたことは、私たちにとりまして、大きな喜びでございました。皇太子殿下には、愛子が生まれました時から、子育てを快く助けて下さるとともに、様々な相談にも乗って下さり、本当にありがたいことでした。多くの方が経験されているように、子育てには、その時その時の苦労も伴いますが、愛子の成長する姿に接することや、愛子と一緒に過ごす時間は、私たちにかけがえのない喜びや楽しみをもたらしてくれています。
私が体調を崩しましてからも、皇太子殿下には、いつも優しく、細やかなお心遣いをいただきながら、お助けいただいてきていることに心から感謝申し上げたいと思います。私も、これまで殿下のお立場やお考えをお量りしつつ、殿下のお力になれますようにと願ってまいりましたが、今後とも、殿下が大切なお務めをつつがなく果たしていかれることがおできになりますように、少しでも殿下のお役に立てますよう努めてまいりたいと存じます。
「点数」の問いにつきましては、天皇皇后両陛下のご成婚25周年の折に、陛下に皇后様が差し上げられた「感謝状」という言葉以上に私の気持ちに相応しい答えが見つかりませんので、このお答えに私も倣わせていただいて、皇太子殿下にも「感謝状」を差し上げてもよろしいものでしょうか…。そして、今回、殿下からは、身に余る賞や「銀メダル」までいただけると仰って下さり、その寛大なお気持ちを大変ありがたく思いますとともに、金婚式に「金メダル」をいただけますかどうかは心許なく感じますが、これからも温かい家庭を築いていくことができますよう、私のできます限り努力していきたいと思っております。
天皇皇后両陛下には、私たちのこの25年間の歩みを温かくお見守りいただいてまいりました。この機会に改めまして、両陛下に心からの感謝の気持ちを申し上げたいと思います。また、本当に多くの方々から私たち家族に心をお寄せいただき、また、助けていただいて、25周年の記念の日を迎えることができますことに、深く感謝しております。ことに、私が体調を崩しましてからは多くの方にご心配をいただいてきていることと思いますが、日頃より私たちを支えていただいている方々、そして、25年間私たちの歩みを温かく見守っていただいてきた国民の皆様にも心からお礼を申し上げます。