“中居正広さんトラブル”めぐり…元フジ専務・関テレ社長「非常に重い案件」 CM差し替えなど影響広がる
タレントの中居正広さんと女性とのトラブルをめぐる一連の報道をめぐり、当時フジテレビの幹部だった関西テレビの大多亮社長が22日、会見を開きました。事案について「把握していた」と話すなど、当時の状況を明かしました。
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当時のフジテレビ幹部が、カメラの前で語るのはこれが初めて。
当時フジテレビ専務 関西テレビ・大多亮社長(66)
「まず私の方からお話しします。この事案につきましては、私がフジテレビに在籍していた、その時の事案でございます。発生が1年半前の事案」
カメラOK、“フルオープン”で行われた社長会見で何が語られたのか。
関西テレビ・大多亮社長(66)
「関西テレビの大多でございます。きょうは関西テレビ社長定例会見。まず初めに今年の抱負について簡単にお話しさせていただきます」
フジテレビ系列「関西テレビ」のトップ・大多亮代表取締役社長。古巣はフジテレビです。「東京ラブストーリー」や「101回目のプロポーズ」「白い巨塔」など数々の大ヒットドラマを手がけ、2022年にフジテレビの専務取締役に就任。去年までの約2年間、幹部として在籍していました。
まさにその頃、中居正広さんと女性との間でトラブルが発生。当時、大多氏にその話が伝わり、港社長の耳に入ったと週刊誌は報じています。
何があったのか。当時の幹部が初めて、カメラの前で口を開きました。
──報道が事実なのか、把握はいつなのか?
関西テレビ・大多亮社長(66)
「(フジテレビの)港社長の会見でも一部述べられていますけど、当然、私は把握しておりました。時期に関しては、フジテレビで詳細を言っていないので難しいが、この事案が起きてから程なくして私の元に耳に報告が上がっている。すごく限られた状況の中で私は情報を得た。大変重い案件なので、社長に(報告を)上げないとならない。私の判断で港社長に上げた。その日のうちに上げた記憶がある」
──(港社長の)リアクションは?
関西テレビ・大多亮社長(66)
「ものすごく苦渋の顔をされていた。一番お話しになった、指示として出たのは『彼女の心と健康を最優先にしなさい』と」
事態を把握し、報告した後、中居さんが出演する番組をどうするか、考えたといいます。
関西テレビ・大多亮社長(66)
「いつ終わらすのか、いつやめるのかは常に頭の中にありました。港社長の会見の中にも『いつ終わらせるのかタイミングを計っていた』と言葉がありましたが、まさにああいうことで、当時進めていた。(2023年)秋改編と(2024年)春改編がありましたけど、その中で番組を打ち切ることが、唐突に打ち切る手もあったが、そういう動きが果たして彼女のためにどう影響があるか、すごく考えていました。中居氏を守ろうとか、そういう意識はなかった。それよりも彼女を守るために最善の手はなんなんだと」
繰り返し語られたのは、「女性を守るため」という言葉。
関西テレビ・大多亮社長(66)
「詭弁(きべん)に聞こえるかもしれませんが、彼女を守るためには、いろんな動きをすること自体が、彼女にとってよくないことになるのではないかということを、すごく考えていたと思う。中居氏を守ったようにも見えたかもしれないし、番組を続けていたのはなぜなんだとつながると思う。彼女を守るためにしていたことが、企業ガバナンスとして違うとか、もうちょっと手があったんじゃないかとか、やりようがあったんじゃないかとか、そのご指摘だと思う」
──フジテレビ社員の関与の有無は?
関西テレビ・大多亮社長(66)
「関与というのがどこまでかというのは、正直言って…これから調査されていくところだと思います」
──少しでも関わったとか情報は?
関西テレビ・大多亮社長(66)
「懇親会とか食事会とか、そういう中にこの案件も一つあるのかもしれない。ただそれが今回のような性の上納だと報告されていないし、認識していませんでした」
フジテレビ社員の関与は否定しました。
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週刊誌報道から約1か月、影響は広がり続けています。中居さんが持っていたレギュラー番組は、22日をもって“全て消滅”する事態に。
テレビ朝日
「『中居正広の土曜日な会』は、視聴者の皆様からの様々なご意見、アドバタイザー(広告主)の反応などを踏まえ、放送継続の環境になく打ち切ることを、中居さんに直接伝え、ご理解頂きました」
中居さんをめぐってはこれまで、6つのレギュラー番組のうち5つの番組で終了や降板が発表されていました。そして22日、テレビ朝日の「中居正広の土曜日な会」が番組終了を発表。これをもって、中居さんの持っていたレギュラー番組は全て消滅した形です。
フジテレビのスポンサー離れも加速しています。フジテレビによると、これまでにCMの差し替えを決めた企業は、およそ75社。多くの企業が、「一連の報道を勘案し、総合的に判断した」としています。
ある企業の担当者は…
CMを差し替えた企業の担当者
「今のフジテレビの対応は加害者を守るようにも映る。フジテレビには改善するよう運営していただき、見解を示していただかないと協賛企業としては相いれない。今回の記者会見では、そういった姿勢が見られなかった」
1月17日に行われたフジテレビの社長会見。メディアを制限した上で、テレビカメラはNG。記者の質問に「調査中」「控える」と繰り返す港社長の対応にも、批判が相次いでいました。
この会見に、改めて、強く物申したのが、大株主のアメリカ投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」です。
ダルトン・インベストメンツ
「このような曖昧な対応は、フジ・メディア・ホールディングス・グループの隠蔽(いんぺい)体質を露呈しているとしか 思えません。株主は黙っていません」
フジ側に送った“怒りの書簡”。
ダルトン・インベストメンツ
「港社長の記者会見を今週にも開き、テレビカメラだけでなく、すべてのメディアが参加できることとすること」
“フルオープン”な記者会見を今週中に行うことを求めました。さらに、調査については、完全に外部の人間で構成される「第三者委員会」の設置を求めました。
会見では「第三者を入れた調査委員会」を 立ち上げるとしていましたが、フジテレビを傘下に置くフジ・メディア・ホールディングスは23日、臨時の取締役会を開催。“完全な第三者委員会”の設置などについて議論する見込みです。