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【国宝級の可能性も】奥州藤原氏が中尊寺に奉納 所在不明の経典発見か 民家の仏壇から見つかる

2025年3月27日 9:56
【国宝級の可能性も】奥州藤原氏が中尊寺に奉納 所在不明の経典発見か 民家の仏壇から見つかる
奥州藤原氏が中尊寺に奉納したものの、その後所在不明となっていた経典と見られるものがこのほど見つかりました。見つかった場所はなんと民家の仏壇でした。

こちらが今回発見された「紺紙金字 大乗大集地蔵十輪経 巻第二」とみられるものです。つなぎ合わせると、長さはおよそ9.5メートルになります。

住田町に住む60代男性が所有するもので、男性が子どもの頃から、木箱に入った状態で仏壇に置かれていたそうです。

見つかったきっかけは、平泉世界遺産ガイダンスセンターが去年開いた企画展でした。
初代清衡が中尊寺に奉納した経典、「紺紙金銀字交書一切経」の展示を報道で知った男性がことし1月、「うちにも似たものがある」と、知人を介してセンターへ持ち込み、専門家を交えて調査しました。

その結果、奥州藤原氏の三代秀衡が、中尊寺に奉納した、国宝の「紺紙金字一切経」の中のひとつである可能性が非常に高いとわかりました。

調査担当者によると、奥州藤原氏の時代には、気仙地方の金山でとれた金が平泉に流通していたことから、経典は住田町にあるべくしてあったと見ています。

調査を担当した 羽柴直人 上席専門学芸員
「気仙地方と平泉の関係は諸説あるが、実物の資料としてはあまりないので、平泉と周辺地域の関係を考えるうえでとても重要な発見だと思う」

国宝級の発見の可能性があるこの経典は今後、所有者と協議のうえ、修繕や一般公開について検討することにしています。
最終更新日:2025年3月27日 9:56
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