阪神・淡路大震災“教訓”に誕生・発展した技術【キキコミ】
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「災害ボランティア」
「ハイパーレスキュー」
「171」
「カセットコンロ」
1995年の「阪神・淡路大震災」を“教訓”に、生まれたり発展したりしたものです。
1月17日、震災から30年となりましたが、当時は、ボランティアの経験がない人も多かった時代、この年は1年間でのべ140万人がボランティアとして働き、「ボランティア元年」と呼ばれています。
また、震災の翌年96年に誕生したのが、東京消防庁の「ハイパーレスキュー」。その後の災害でも活躍しています。
さらに震災当時、電話は仮復旧まででも、およそ2週間かかったことから、「災害用伝言ダイヤル171」が生まれ、現在は「web171」などネットでも使えるサービスに発展しています。
そして、「カセットコンロとボンベ」避難所に持ち込まれたモノが「寸法が合わなくて使えない」といった困りごとが多数あったといいます。
こうした声が「規格の見直し」を後押し。現在でも、メーカー指定のボンベを使うのが原則ですが、いざという時には、メーカーが違っても使えるようになっているということです。
○藤井
当時なかったものが、今このように現役でしっかりと活動している、活躍している、ということでいいますと、あの時本当に必要だったものは足りなかったんだな、ということがわかりますね。
○櫻井
改めて気づかされますね。
また、主に木造の一戸建てにつけられ地震の被害を抑える「制震ダンパー」と呼ばれるものもあります。
住友ゴム製のものは、2024年の能登半島地震で、震度6弱以上のエリアに設置されていた517棟が、「全半壊ゼロ」だった、ということなんですが…
このダンパーも、大震災の被害を教訓に発展したモノの1つです。
こちらは2024年12月に行われた実験映像。
制震ダンパーが設置された方は震度6強クラスの地震が来ても、揺れが少ないことがわかります。
1月20日夜、私は全半壊ゼロの理由を伺いました。
○住友ゴム工業 ハイブリッド事業本部 松本達治副本部長
「一番の役割を果たすのは、この銀色の部分」
「高減衰ゴム」
「地震のエネルギーを吸収するゴムが、ここに設置されております」
○住友ゴム工業 ハイブリッド事業本部 松本達治副本部長
「こちらが実物大になっていまして」
○櫻井
「びくともしない」
○住友ゴム工業 ハイブリッド事業本部 松本達治副本部長
「これ普通のゴムなんですけど」
「ちょっと落としていただけますでしょうか」
○櫻井
「はねますね」
○住友ゴム工業 ハイブリッド事業本部 松本達治副本部長
「こちらの(高減衰)ゴム落としてもらえますか」
○櫻井
「すごい!少しのはね返りもないですね。そのままトンと吸収されるような」
○櫻井
「跳ねないのは地震に対して、どう効果的ですか?」
○住友ゴム工業 ハイブリッド事業本部 松本達治副本部長
「地震の動きを止めてしまう。揺れを速やかに抑える」
○櫻井
「揺れはそのまま吸収してしまう形ですか」
○住友ゴム工業 ハイブリッド事業本部 松本達治副本部長
「揺れを吸収して止めてしまう」
○櫻井
「こちら(住宅用の制震ダンパー)阪神淡路の地震も(開発の)ひとつ大きなきっかけになっているんですよね」
○住友ゴム工業 ハイブリッド事業本部 松本達治副本部長
「(住友ゴムの)事務所、全壊いたしました。その当時、何もできなかった。技術者としての(社会・地域への)貢献は何ひとつ今回できなかったな、というのが本当に痛切な思いでした。こういう震災、あるいは家屋の安全安心に貢献できるような開発をできないかっていうことで、それを機会に取り組んでまいりました。」
○櫻井
阪神・淡路大震災を教訓として生まれた、制震ダンパーの技術。新築でも、リフォームでも対応するものがあり、数十万円で設置することができるそうです。ほかにも各社、住宅用の制震装置を出しています。
この30年で、命を守る防災の技術も確実に発達しています。
(1月20日放送『news zero』より)