ホンダ日産統合へ…外資に狙われる日本企業【キキコミ】
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ホンダと日産が経営統合を目指すなか、実はもう1つ、「日本企業を狙う海外企業の動き」があります。
それがこちら、台湾の企業「ホンハイ」。
iPhoneを受託生産している電子機器メーカーなんですが、このホンハイが、日産の買収を検討していることも経営統合へ協議を加速させたといいます。
日本の自動車メーカーがほしい「ホンハイの狙い」を自動車業界に詳しいジャーナリストの川端由美さんに聞きました。
○櫻井
「(買収対象が)日本企業であるメリットは何ですか?」
○自動車業界に詳しい 川端 由美さん
「外資からすると、日本の会社は技術者も素晴らしいですし、人材も素晴らしい」
「日本のエンジニアはとても真面目ですが、給料は世界の水準からすると少し低い。それで『海外に行ってしまおう』というよりも、日本語で、技術をちゃんと国内でやりたいという方が多いので、買った後も技術職の高さが担保できる。ホンハイは技術の会社なので、日本の技術はすごく魅力」
○櫻井
「ホンハイはなぜ自動車産業に入りたいのですか?」
○自動車業界に詳しい 川端 由美さん
「ホンハイはApple製品の中身をすごくたくさん作っていて、スマホは世の中で、持ってない人がいないくらいです。携帯からつながれる残されたところは、運転している時はスマホが使えないじゃないですか」
○櫻井
「使えないですね」
○自動車業界に詳しい 川端 由美さん
「そこでドライバーとつながりたい」
○櫻井
「情報がほしいということですか?」
○自動車業界に詳しい 川端 由美さん
「移動データがこれからお金になると言われていて、例えば(ホンハイの技術で)運転手のスマホでつなぐ、後ろの人がiPadで子供向けの番組見ていれば、このファミリーはこういう世帯構成でこんな広告出したらいいとかがあります」
○藤井
日産ほどの大きな企業でも、海外の企業が買収しようとしていること自体に驚きですね。
○櫻井
そうですよね。今回のような、海外企業による買収の動きは、ほかの業界でも起きています。
今年8月、「セブン&アイ・ホールディングス」に買収提案をしたのは、カナダのコンビニ大手「アリマンタシォン・クシュタール」。その買収提案額は、7兆円とも言われています。
いわゆる日本の大手企業を、なぜ海外企業が買収しようとしているのか。
日本テレビ経済部の安藤佐和子解説委員は、「背景には①『お買い得』、そして②『日本政府の買収“後押し”』があると指摘しています。
もともと日本企業は株価が安いところに、さらに円安で、海外から見れば、非常にお得な買い物になっています。
また、『買収』と言いますと、かつては「ハゲタカファンド」など買収する方が悪いというイメージがありましたが、去年、経済産業省は、「買収提案を受けたら、すぐに断るのではなく、それが自社の株主にとってプラスなのかどうか、十分検討すべき」として、“良い買収を促すための指針”を出したというんです。
企業の価値を高めて日本全体の経済成長につなげる狙いがありますが、これで雰囲気が変わり、買収提案も出てきやすくなったということです。
海外との競争も激しくなるなか、生き残りをかけた買収や統合の話がこれからも続きそうです。
(12月23日放送『news zero』より)