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皇太子ご夫妻、結婚25年 文書全文2

2018年6月9日 11:18

皇太子ご夫妻は9日、結婚25年を迎えられた。お二人は文書で感想を寄せられた。

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■皇太子同妃両殿下御結婚満25年に際しての文書回答(2/3)

【問2】

 両殿下にそれぞれお尋ねします。両殿下は来年5月1日に新たな天皇、皇后となられます。日本や皇室を取り巻く環境が大きく変わるなか、皇太子同妃両殿下として築き上げてきた25年の歩みを即位後にどう生かしていきたいとお考えでしょうか。新天皇として、新皇后として、次の時代のあり方とあわせてお考えをお聞かせください。


皇太子殿下

 私たちは、この25年間、天皇皇后両陛下のなさりようをつぶさに拝見してまいりました。両陛下がこれまで一つ一つのご公務にお心を込めて取り組んでこられたことに対し、改めて深い感慨と敬意の念を覚えています。そして、私たち自身、両陛下のお導きの下で、お互いに協力しながら様々な経験を積んできましたので、今回の25年という一つの節目を契機に、気持ちを新たにし、今までの経験を糧にしつつ、引き続き、お互いに協力しながら、国民の幸せを願い、一つ一つの公務に取り組んでまいりたいと思います。

 次の時代の皇室のあり方については、両陛下も大事にされてきた皇室の長く続いた伝統を継承しながら、現行憲法で規定されている「象徴」としての天皇の役割をしっかりと果たしていくことが大切だと考えています。そして、象徴としてのあり方を求めていく中で、社会の変化に応じた形で、それに対応した務めを考え、行動していくことも重要だと思います。私は、以前「新たな公務」について、自分自身も携わってきた水の問題や、環境問題、子どもや高齢者を取り巻く状況などについて触れましたが、今後も、そうした新たな公務に対する社会の要請は出てくると思いますので、そうした公務に真摯に取り組んでまいりたいと思っています。

 同時に、世界各国との相互理解を深めていくことも大切であると思いますので、国際親善や文化交流の面でもお役に立てればと思います。また、今後の日本や世界の将来を担っていくことになる若い人たちとの交流も大切にしていきたいと考えています。

 なお、雅子は、努力と工夫を重ね、体調に気をつけながら、一生懸命に快復への努力を重ねています。側で見ていて、そのことはよく分かります。国民の皆様には、引き続き、雅子の快復を長い目で温かく見守っていただければと思います。


皇太子妃殿下

 日本は、この25年の間に、阪神・淡路大震災や東日本大震災を始め、度々大きな自然災害に見舞われた他、多くの社会的な変化を経験してきました。こうした中で、両陛下が常に国民の幸せを願われながら、お心を込めて一つ一つのご公務をお務めになり、国民と苦楽をともにされてきたお姿を間近に拝見させていただいてまいりましたことを、大変ありがたいことと思っております。両陛下がこれまで大切になさっていらっしゃいましたことを常に心に留めながら、今後とも、広く人々の幸せを祈っていきたいと思います。

 特に、東日本大震災をはじめとする様々な災害の被災地において、私たちは、人々が共に支え合うことの大切さを深く感じるとともに、困難な状況に置かれている方々の悲しみや苦しみに思いを寄せ、そのような方々の生活が少しでも良くなるようにと願ってまいりました。これから先,復興が一歩一歩着実に進み、被災された方々に安心できる暮らしが一日も早く戻りますよう心から願いつつ、被災地の今後に永く心を寄せていきたいと思います。

 また、これからの日本や世界の人々にとって何が大切になってくるのかということについて、皇太子殿下とご相談しながら考え、世の中のことに関わっていくことができればと思っております。