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熊本大 iPS細胞で小児腎臓病の病態再現

2018年8月31日 15:32
熊本大 iPS細胞で小児腎臓病の病態再現

熊本大学の研究グループが、iPS細胞で小児腎臓病の病態を再現させることに成功した。薬の開発へつながる大きな前進だという。

研究を成功させたのは、熊本大学発生医学研究所の西中村隆一教授らの研究グループ。グループの発表によると、生後3か月以内に発症し腎不全を引き起こしやすい先天性ネフローゼ症候群の患者の皮膚からiPS細胞を作り、初期の病態を再現することに成功したという。この病気の原因のひとつに「ネフリン」という物質の異常があり、この修復が治療の可能性を示すことを突き止めた。

研究グループは2014年に世界で初めてiPS細胞から腎臓組織の作製に成功している。今回の研究成果も初めての例として、日本時間31日、アメリカの科学雑誌のオンライン版に掲載された。研究グループは、「成人腎臓病の薬開発へ向けても大きく前進した」と話している。