95%が大人“風疹感染者”異例の事態に
風疹といえば、子供のかかる感染症だと思いがちですが、今年は異例の事態になっているようです。
■手洗いやマスクで予防不可
「全体の年齢としては95%が大人です。30代~50代の男性がいま、多く風疹を発症されています」(国立感染症研究所 多屋馨子さん)
そもそも風疹は、ウイルスが小さく感染力も強いため、手洗いやうがい、マスクなどでは予防できないと言われています。主な症状は、高熱、赤い発疹、耳の後ろのリンパ節が腫れるなどです。なぜ今年は、男性の感染者が増えているのでしょうか。
■高リスク者は“生年月日”でわかる
多屋さん「これは日本の風疹の定期の予防接種の制度で全て説明ができます」
厚生労働省は、子どもの頃に風疹の予防接種を2回受けると、ほぼ確実に予防できるとしています。
世代ごとにワクチンの定期接種の状況を見てみると、1990年の4月2日以降に生まれた人は2回受けていますが、定期接種のなかった1979年4月1日以前に生まれた男性は、1度も受けていないケースもあります。そして風疹の怖いところは、症状だけでなく――
■胎児に深刻な影響
多屋さん「特に妊娠1か月の女性が風疹ウイルスに感染すると、半数以上の赤ちゃんに影響が出てしまうんです」
感染したらどうなるのかというと、50%以上の高い確率で、心疾患、白内障、難聴などの障がいをもった子どもが生まれてくる可能性があると言うのです。
■自治体によっては検査が無償
ワクチンの接種を受けたかどうかは、母子手帳で確認できます。また、各医療機関で抗体検査を受けるには3000円~5000円ほどかかりますが、自治体によっては、申請を出せば無償、または費用の一部が助成される場合もあります。今年、抗体検査を受けに来る人が増えたという病院では――
「抗体検査だけを希望で来られる方というのは、トータルで20~30人ぐらい。例年に比べて多いと思います」(品川イーストクリニック 藤井院長)
また、ワクチン接種を受ける人も1日に約5~10人ほどと、例年より増えていると言います。抗体検査は、「風疹ワクチンの接種歴」や「過去に風疹にかかったことがあるか」などを問診してから採血をし、2~3日で結果がわかるんだそうです。
■夫婦での抗体検査も効果的
安藤キャスターは、実際に、夫婦で抗体検査を受けたことがあるそう。結果は、安藤キャスターには抗体があり、奥さんには抗体がなかったことがわかりました。
ワクチン接種を受けていても、1回で抗体ができる人と、なくなってしまう人がいるので、抗体検査を受けてみるのもおすすめのようです。