無罪確定の袴田巌さんに静岡地検トップが謝罪「犯人視することないと直接伝えたい」
58年前、静岡県で起きた一家4人殺害事件の再審=やり直し裁判で無罪が確定した袴田巌さんに27日、静岡地方検察庁のトップである検事正が直接謝罪しました。
袴田巌さんは、ことし9月の再審判決で静岡地裁から無罪が言い渡され、先月、検察が控訴する権利を放棄したことで死刑から一転、無罪が確定しました。これを受け、27日に静岡地検のトップ・山田英夫検事正が浜松市内の袴田さんの自宅を訪れ、直接謝罪しました。
静岡地検 山田英夫検事正
「事件の犯人が袴田さんであると申し上げるつもりはございません。犯人視することもないと直接伝えたいと思います。改めまして大変申し訳ありませんでした」
袴田巌さん(88)
「どこまで闘うのかということの決定が行われている、そういうことが最後だということでよろしくお願いします」
謝罪を受けた袴田さんの姉・ひで子さんは…
袴田さんの姉 ひで子さん(91)
「これで死刑囚ではなくなってくる。巌に(無罪を)わからせるために謝罪していただいた方がいい」
一方、これまで検察のトップである畝本直美検事総長は、再審判決で捜査機関による証拠のねつ造が認定されたことなどについて不満をあらわにしましたが、これについて撤回はしませんでした。