袴田巌さんに静岡地検のトップが直接謝罪 再審で無罪確定
58年前、静岡県で起きた一家4人殺害事件の再審(=やり直し裁判)で無罪が確定した袴田巌さんに、27日午前11時すぎ、静岡地検のトップが直接、謝罪しました。
静岡地方検察庁・山田英夫検事正「本日は袴田巌さんの事件の捜査を担当いたしました静岡地検の検事正として、検察の思いを伝えにまいりました。まず、袴田巌さんが相当の長期間にわたり、法的地位が不安定な状況となり、長期間、巌さん、そして、ひで子さんが、とても言葉にはできないような、つらいお心持ちで日々を過ごされましたことにつきまして、刑事司法の一翼を担う検察としても大変申し訳なく思っており、そのことについて直接、お伝えにまいりました。また、当然のことでございますが、検察として今回の無罪判決を受け入れ、控訴をしないと決めたものである以上、対外的であるか否かを問わず、この事件の犯人が袴田さんであるというようなことは申し上げるつもりはございませんし、犯人視することもないということも、直接お伝えしたいと思います。改めまして、大変申し訳ありませんでした」
袴田さんの姉・ひで子さん「58年前の事件ですので、私たちは、いまさら検察に、どうのこうの言うつもりは毛頭ございません。それに私も巌も、もう運命だと思っております。無罪が確定いたしまして、今は大変に喜んでおります。有頂天になっているんです、私たちは。それですので、今日はご苦労さまでした。わざわざ、おいでくださいまして、ありがとうございました」
27日午前11時すぎ、静岡地検のトップである山田英夫検事正が浜松市内の袴田さんの自宅を訪れ、袴田さんと姉ひで子さんに直接、謝罪しました。その中で山田検事正は袴田さんを犯人視していないことなどを伝えました。