めぐみさん拉致からまもなく47年 母・早紀江さん 「口で言いたくないくらい長い」 若い世代の思いは…
当時13歳の横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから、まもなく47年です。母の早紀江さんは12日の会見で「47年は、もう口で言いたくないくらい長い」と、胸の内を明かしました。
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めぐみさんの母 横田早紀江さん(88)
「本当に元気でいるんだと思って、私たち活動しておりますけども。本当に姿も見せない、写真も見られない、声も聞けない。だけど生きているんだと」
横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから、11月15日で47年となるのを前に、母・早紀江さんが12日に会見しました。
めぐみさんの母 横田早紀江さん(88)
「47年って、もう口で言いたくないくらい長い」
47年前の1977年11月15日、北朝鮮の工作員に拉致された横田めぐみさん。当時13歳でした。
まったく消息がわからなかっためぐみさんが、“北朝鮮にいるかもしれない”との情報がもたらされたのは、拉致から20年後のことでした。
2002年には、日朝首脳会談で北朝鮮が拉致を認め謝罪。ところが…
横田滋さん
「いい結果が出るということを楽しみにしておりました。しかし結果は死亡という…」
北朝鮮が伝えてきたのは“めぐみさんは死亡した”とする情報でした。
北朝鮮からの情報に次々とウソが明らかになる中、その後もあきらめることなく、帰国を訴え続けてきた横田夫妻でしたが、4年前の2020年、滋さんは娘との再会を果たせぬまま、亡くなりました。
2023年、早紀江さんは藤井貴彦キャスターに、親としての苦しい胸の内を明かしました。
藤井キャスター(2023年取材)
「希望と絶望の繰り返しの中で、活動する原動力は?」
横田早紀江さん(2023年取材)
「自分の子どもがそんな目にあって、現在もこのような状況で閉じ込められている。生きている間は親ですから、いる間は頑張ってあげなきゃいけない。最後まで頑張って生きてあげなきゃいけない。『返しなさい』って言わなきゃいけない」
そして、いつも心の中でめぐみさんに語りかけていることがあるといいます。
横田早紀江さん(2023年取材)
「『とにかく元気でいなさい』『必ず帰れる日が来るから』」
多くの人にとって、“生まれる前の出来事”の「拉致問題」。
政府は、“若い世代への啓発”のため「めぐみ」というアニメを制作しました。拉致問題を風化させまいと、学校や公民館などで上映会が行われています。
10日に、めぐみさんの弟、横田拓也さんらが行った講演会。そこには、子どもたちの姿もありました。
講演を聞いた人(島根・益田市 10日)
「私と年齢の近い女の子が、急に外国に連れて行かれて、つらい思いをしていることにびっくりしました」
12日夜、『news zero』は、拉致問題に関心を持つ、新潟市の高校1年生に話を聞きました。
拉致問題に関心を持つ高校1年生 藤田孝惇さん(16)
「出身の小中学校が、横田めぐみさんの母校」
「ご家族の皆さんは年々、会いたい気持ちは増していくと思うんですけど、長い年月がたつにつれて、日本全体の拉致問題の意識は、どうしても下がっていきがちな部分はあると思うので」
去年、拉致問題に関する中学生サミットに参加し、拉致被害者家族の話を直接聞き、その後、めぐみさんが拉致された現場にも足を運んだといいます。
拉致問題に関心を持つ高校1年生 藤田孝惇さん(16)
「現場から近い身として、何かしなきゃいけないなと」
拉致問題を知らない同級生にも知ってもらおうと、学校で話をしているという藤田さん。
拉致問題に関心を持つ高校1年生 藤田孝惇さん(16)
「まず拉致問題について知らなければ、何もしようとも思い始めないですし。まずは知るということが大事だと思います」
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横田早紀江さん(88)(12日午後)
「煙のように消えちゃって、40年もほっとかれるって、ご自身に起きた時にどう思うって、こっちが聞きたいくらいで。せっかくみんな命もらってるんだから、平和に生きていくためにお互いの国が話しあって、決着つけていかないとって、いつも思っています」
(11月12日放送『news zero』より)