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名物鉄道「銚子電鉄」映画に挑戦のワケ

2019年7月30日 19:35
名物鉄道「銚子電鉄」映画に挑戦のワケ

千葉県を走るローカル線、銚子電鉄。これまで様々なアイデアで会社を盛り上げてきた名物鉄道が、今度はなんと映画制作に挑戦した。なぜ鉄道会社が映画を制作したのか?そこには切実な願いがあった。

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銚子駅と外川駅、わずか6.4キロを走るローカル線、銚子電鉄。これまで、鉄道会社にもかかわらず銚子の名物「ぬれせんべい」を製造・販売。さらに、電車を使ったホラーイベント「お化け屋敷電車」の開催や、「鯖威張る弁当」「まずい棒」他、独自商品の開発など、ユニークなアイデアで会社を盛り上げてきた。

そんな銚子電鉄が初めて映画を制作。先週27日、試写会が行われた。スクリーンに映し出されたのは…「電車を止めるな!」。去年低予算ながら大ヒットした「カメラを止めるな!」にそっくり。しかし、内容は全くの別物で、映画の舞台は廃線寸前の鉄道会社。乗客数を増やすため職員たちが企画した「心霊電車」のイベントで本当の心霊現象が起こってしまうというホラーコメディーだ。企画したのは銚子電鉄の社長・竹本勝紀さん(57)。

竹本社長「なんとなくパクリみたいになっちゃったんですけど、リスペクトを込めたパクリということで」

銚子電鉄だけに「超C級」と銘打ったこの映画。もちろん、「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督にはきちんと許可を得ている。

そんな銚子電鉄が今回、クラウドファンディングで約500万円を集め、それを元手に映画を制作。そもそも、なぜ鉄道会社が映画を作ったのだろうか。

竹本社長「変電所の更新(工事)に費用が約2億円かかるということで、その費用を稼がないことには明日はないという状況」

乗客数が減少し、赤字が続いている銚子電鉄。竹本社長は電車を走らせるために必要な変電所の工事費、約2億円を映画の収益で賄うのが目的だ。

竹本社長「(赤字続きで)電車が止まりそうなので『電車を止めるな!』というタイトルが自然と頭に浮かんだ」

来年度には工事が予定されているため一刻を争う状況。しかし、ここで大きなトラブルが。

竹本社長「撮り直ししないといけない部分がでちゃったんですね」

実は当初、映画は来月の公開を予定していたが、撮り直しが発生したため、今年の冬に延期となってしまったのだ。ローカル線の存続に尽力する竹本社長は――

竹本社長「鉄道がダメになってしまえば地域も衰退してしまう。まさに表裏一体の関係にありますので、地域とともに存続すべき、それがローカル鉄道に課せられた使命だと思っています」