夏休みに!進化する高速道路SA・PA
きょうから8月。夏休みには、旅行などで高速道路を利用する方も多くなるのではないだろうか。いま、高速道路にあるサービスエリアやパーキングエリアが様々な進化をとげて、集客につなげようとしている。
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東北自動車道・上りを走り、訪れたのは、先月29日にリニューアルオープンしたばかりの埼玉・蓮田サービスエリア(上り)。売りの一つは、従来よりも駐車場は約3倍、商業施設は約2倍。敷地面積約8万平方メートルは、ネクスコ東日本でも最大級の規模だという。
さらに、ポイントは一般道からも立ち寄れること。オープン4日目の1日も、長蛇の列ができていた。その多くのお目当ては――
Pasar蓮田・猪俣理惠 総館長補佐「肉、野菜、魚、新鮮なものを取りそろえてスーパーマーケット感覚で、夕飯の支度の準備になるような商材をそろえています」
地元農家が生産する野菜や鮮魚、さらに総菜という豊富な品ぞろえの大型スーパー。旅の帰りの買い物場所として、さらに、近所のスーパーとしても利用できるという。
さいたま市民「助かりますよね。まっすぐ家に帰れますもの。スーパーに寄らずにね」
近隣住民「飲食店とかスーパーが一緒になってるのはないので(来た)」
ネクスコ東日本によると、22店舗のうちの半分は、高速道路での初出店ということで、飲食店では、地元名物の肉汁うどんも提供されている。
そしてトイレには、こんな工夫が。男性トイレの個室の棚の部分には携帯電話や財布を置きがち。そして用を足して、そのまま出ようとすると…「忘れ物はございませんか?」と、センサーが忘れ物を感知し、教えてくれるという機能つきだ。
進化を見せるサービスエリア。魅力的な休憩所の提供は、ここだけではない。
蓮田サービスエリアの近くにある羽生パーキングエリアには、江戸時代にタイムスリップしたかのような建物が。実はこのパーキングエリアの別名は、「鬼平江戸処」。小説や時代劇でも人気を博した「鬼平犯科帳」の世界観を再現したという。そのこだわりは、食事にも。
クッキーで江戸の貨幣をあしらったソフトクリーム(もこもこソフトクリーム 420円〈税込〉)、さらに肉厚のうな重(うな重2500円〈税込〉)に、その名も「江戸醤油焼そば」(530円〈税込〉)まで。
利用者「食べ物がたくさんある。大好き!」「車なんですけど、ここに来たくて、高速じゃなくて普通に下道で来ました」
評判は上々とのことで――
羽生PA「鬼平江戸処」斎藤俊介館長「1日あたりだと多いときで2万人くらいのお客様がお立ち寄りいただきます。お盆の時期なので13日~15日くらいが一番混雑すると思います」
和風建築を売りにしているのは、実はここにも。神奈川県内の圏央道にある厚木パーキングエリアがイメージしたというのは、「宿場町」。建物のみならず、看板にトイレまで、シックな和風建築となっていて、落ち着いた休憩所を演出している。
様々な方法で集客を目指すサービスエリアだが、「今日も空いてる津軽SA」「混雑知らずの津軽SA」などと、なんとも自虐的な横断幕が見られる高速道路も。こちらは東北自動車道、津軽サービスエリアへ向かう下り。「混雑知らず」という津軽サービスエリアを訪ねてみると、確かにガランとした印象だ。
リニューアルオープンし、特産の「りんご」を使った商品を多く販売。りんご園も併設しているが…
ネクスコ東日本 管理担当課長・郷古章さん「利用者の数が多くないというのが以前からありまして」
客足がなかなか伸びず、「逆転の発想」で、一瞬で目につく横断幕を考えたという。
郷古さん「自虐のSAというふうに言われていますが、一度体感していただいてドライバーの方も選んでいただきたいと」
日並び上、9連休にもなり得る今年のお盆。全国的な高速道路の下りのピークは、10日と11日、Uターンのピークは14日と15日だという。